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今週のひとこと

部下一人ひとりの長所と短所を整理し、
徹底的に長所が伸びるよう指導しよう。
そうすれば、本人、チーム、会社に
とって大きなプラスとなる。

☆ 新入社員の「ひとり立ち」―彼・彼女たちの本音を知る

 4月が新年度の企業は、早いもので今年度の折り返し地点が間近です。また、新卒社員が入社して半年になりますが、彼・彼女たちは活躍されていますか。緊張した面持ちで毎日出社していた4月と比べて、たくましく成長されていることでしょう。

クライアントの教育担当者と人材育成についてディスカッションをしていると、「半年経つので現場でひとり立ちしてもらいます」という話をよく伺います。新入社員にとっては、待ちに待った瞬間かもしれませんし、荒野に放り出されると感じる方もいらっしゃるかもしれません。
 上司・先輩の皆様には、このタイミングで、新入社員と個別に話をする機会を、ぜひつくっていただきたいと思います。出来るようになったこと、これからの伸びしろ、やりたいこと、期待していること等、ざっくばらんに話をすることで、入社した頃には感じていなかった本人の変化に気づくことができます。

 個別に話をする際のポイントは3つです。
 1.一人ひとりと向き合うために個別であること
 2.可能であれば個室で、周りの視線を感じない空間であること
 3.話の内容と表情に注目すること

 特に大切なのは、3つ目の「話の内容と表情に注目すること」です。本人は会話の中で、「頑張ります!」と、きっと言うでしょう。その際の表情に無理はないか、正しく捉えることで、かける言葉や、フォローの仕方が変わってきます。「言っていることと表情が違うけど大丈夫?」と答え合わせをすることです。せっかくのご縁で巡り合った新入社員たちです。彼・彼女たちがしっかりと活躍していけるよう、「ひとり立ち」を支援してあげてください。

経営コンサルティング本部
コンサルタント
永易 杏菜

タナベ経営 経営コンサルティング本部 本部長代理 戦略コンサルタント 森田 裕介 Yusuke Morita

大手アパレルSPA企業での経験を生かし、小売業の事業戦略構築、出店戦略、店舗改革を得意とする。理論だけでなく、現場の意見に基づく戦略構築から実行まで、顧客と一体となった実践的なコンサルティングを展開。「お客さまに喜んでいただけるまで妥協しない」をモットーに、業績向上を図っている。
アパレル業界の環境を一言で言うと、「内需は縮小するも、急速な技術革新と顧客価値の変化で潜在的ビジネスチャンスが到来」となる。"アパレル業界=成熟市場"であることは誰もが知るところであるが、まだチャンスは多く存在している。そのチャンスを的確につかみ、自社のビジネスモデルでイノベーションを起こせるかが生き残りの鍵と言える。

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【図表1】 アパレル業界の課題

⇒メーカーの課題
1.多品種小ロット、短納期対応の弊害による繁閑差の拡大
2.協力工場の減少
3.労働力の減少
⇒流通業(卸売・小売)の課題
1.売れ残りとセールの悪循環
2.商品開発力の低下
3.サプライチェーンの脆弱化
4.オムニチャネル化への対応

【図表2】 アパレルビジネスモデルにおけるイノベーションの着眼点

⇒業界の非常識に挑戦する
アパレル業界はスタートアップ企業の台頭が目覚ましく、その共通点はいずれも業界の非常識に挑戦していることにある。まずは業界の常識を疑うことが肝要である。
⇒自前主義を取っ払う
業界内ではアライアンス(提携)によるビジネスイノベーションが多く存在する。自社では対応できない事業・商品・サービスはアライアンスによってノウハウを補完する。
⇒成長市場へシフトする
アパレル業界は成熟市場でありながら、いまだ多くの成長市場が存在する。既存事業の革新や新規事業の開発など、成長市場をいかに取り込むかが鍵である。
⇒収益構造の抜本的見直しを行う
業種的に収益が流行や季節要因に左右されやすい。いかに固定的な収益基盤を確保できるかが、収益安定化のポイントとなる。

アパレル業界における3つの危機

1.マーケットサイズの縮小

経済産業省の報告書(「繊維産業の課題と経済産業省の取組」、2018年6月)によると、アパレルの国内市場規模はバブル期(1991年)の約15兆円をピークに、2016年には約10兆円と25年間で3割も縮小したという。 一方、アパレル国内供給量は同期間で約20億点から約40億点へと倍増している。市場規模縮小・国内供給量拡大という2つが意味することは、直近の衣料品購入単価が1991年に比べて6割前後の水準まで下落しているということだ。 アパレルの総小売市場規模(矢野経済研究所調べ)を見ると、2010年の8.9兆円から2016年で9.2兆円と拡大基調にあるが、これはユニクロ(ファーストリテイリング)やしまむらをはじめとする大手専門店チェーンが業績を伸ばしただけであり、中堅・中小企業はその恩恵を受けていない。 1世帯当たりの「被服及び履物」の年間消費支出額(総務省「家計調査」、農林漁家世帯を除く2人以上の世帯)も、1991年の約30万円から2016年は約14万円と半減した。消費マインドの低下に歯止めがかからない状況である。

2.国内メーカーの存在価値の低下

前述した経済産業省の報告書から、アパレルの国内生産の状況を見てみよう。国内繊維産業の事業所数と製造品出荷額の推移を見ると、2015年時点で、1991年の約4分の1の規模に減少している。一方、国内アパレル市場における輸入浸透率は上昇を続けており、2017年には97.6%まで増加した。海外生産へのシフトにより、いまやアパレルの国内生産比率は3%を割り込む水準となっている。 それに伴い、多くの国内メーカーが淘汰され、アパレル業界においては日本のものづくりの良さが失われつつある。また、生き残った国内メーカーにおいても、海外生産と同水準を求められ、多品種小ロットや短納期対応に迫られるといった多くの課題を抱えている。

3.低収益構造

アパレル業界の特性の一つとして挙げられるのが、「低収益構造」である。これは近年、価格競争も相まって、その傾向がますます顕著である。帝国データバンクの調査(「アパレル関連企業の経営実態調査」、2017年10月)によると、アパレル関連企業の2016年度の売上高経常利益率(平均)は1.24%。このうち卸売が1.5%、小売に至っては0.6%と極めて低い。 これまで述べてきたように、アパレル業界は伸び悩みが続く成熟期にある。加えて【図表1】に示す課題を抱えており、これらの解決とともに抜本的なビジネスモデルイノベーションにかじを切る必要がある。

潜在的チャンスをつかむ

とはいえ、成熟市場においても「潜在的チャンス」は多く存在する。そのチャンスをいかに的確につかみ、自社のビジネスモデルへどう反映するかが重要である。国内と海外の2つの視点で、そのチャンスを見ていこう。

1.国内のチャンス

国内アパレルの周辺分野を含めた成長マーケットは、AI、VR(バーチャル・リアリティー)、ロボット、ウエアラブルデバイスなどの最先端技術が筆頭である。2025年に開催される大阪万博(日本国際博覧会)では、VRで全世界より80億人の来場が予測されるという。 実際、アパレル業界においてもVRの活用が進んでおり、Psychic VR Lab(サイキックVRラボ、東京都新宿区)では、ファッション分野におけるVRビジネスを展開している。VRゴーグルを装着することで、展示会やファッションショーをその場で服の質感までリアルに認識することができる。家にいながら百貨店で買い物をするといった、アパレル商品の購買の在り方に革新が起こる日も近いかもしれない。 そのほか、高機能素材やEC(電子商取引)、インバウンドも拡大市場である。自社が属する市場は成長しているのか衰退しているのか、その見極めが重要となる。

2.海外のチャンス

内需は縮小するが、外需は拡大する。世界の人口は増加基調にあることから、海外におけるアパレル市場は拡大していく。しかし、日本は他国と比べ輸出戦略で大きな後れをとっている。国内生産比率が低下しているため、それは必然なのかもしれないが、いま一度、アパレルにおける「メード・イン・ジャパン」の品質の高さやストーリー性、ブランド価値を世界に伝えていきたい。 また海外には、秀逸なビジネスモデルを有するアパレル企業が多く存在する。レンタルやシェアリング、プラットフォーム型ビジネスといった日本でも注目される企業のビジネスモデルは、海外が先発である。いかに海外へ目を向けていくかがポイントになる。

3.「アパレル×○○」のビジネスモデルでイノベーションを起こす

国内・海外を含めて、成長市場をいかにして自社のビジネスモデルに取り込むかが成長の鍵となる。その視点は、「アパレル×○○」によるビジネスモデルのイノベーションである。

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未来の顧客が求めるアパレルビジネスモデルとは

直近の変化だけではなく、顧客の価値観を先取りしたビジネスモデルにイノベーションできるか――。時間軸としても最低、10年先は考えたい。 そこで、業界におけるビジネスモデルの成功パターンとして4つのモデルを提言したい。

1.ジャパンブランドモデル

国内メーカー、また国内ブランドはいま一度、自社の存在価値を再定義する時期に来ている。存在価値とは、世の中が求めていることと自社の持ち味との接点にあり、役割や使命を指す。 世の中や顧客が求めていることが変われば、当然、自社の存在価値は低下していく。自社が世の中からなくなると、どういったことで社会や顧客が困るか、徹底して追求する必要があるのではないか。本特集で紹介したライフスタイルアクセントは、国内工場の自立化支援を掲げ、ジャパンブランドの価値向上を存在価値としている。 近年では、一般社団法人日本ファッション産業協議会が主導する「J∞QUALITY制度」が代表的だ。織り・編み、染色整理加工、縫製、企画・販売という4つの工程を全て国内で行った、純正の日本製アパレルであることを示す新しい認証制度である。ぜひ、自社・自ブランドの存在価値を再定義し、日本全体で「メード・イン・ジャパン」を再興したい。

2.カテゴリーキラーモデル

カテゴリーキラー(特定分野商品を豊富に品ぞろえし、低価格で販売する業態)の成長が注目されて久しい。しかしながら、自社でも取り組みたいのに踏み切れないという経営者が多い。これは特化すること、他をやめることで、業績が著しく低迷することへの懸念を払拭できないからである。 何でもあることを特長に謳う企業は、何一つ顧客から選ばれることがないという裏返しである。バリュープランニングでは、女性用ストレッチパンツに特化した「B-Three」という直営店を展開している。店舗には腰が曲がったマネキンに同社商品を着用させ、屈んでも下着が見えない商品特性を顧客へ伝えている。 さらに女性用ストレッチパンツで認知度を高めた後、男性用ストレッチパンツへと商品を展開。良い意味で尖ったビジネスモデルを形成することも必要である。

3.事業革新モデル

「ジャーナルスタンダード」や「イエナ」、「エディフィス」などのアパレルブランドを展開するベイクルーズグループは、「衣食住美」を事業領域として掲げ、業容を拡大させている。アパレルブランドにとどまらず、食分野ではカフェレストランをはじめとする複数の外食業態、住分野では2つのインテリア業態、美分野ではフィットネススタジオを展開する。 さらには、グループ会社であるWILLWORKSではファッション分野への人材派遣業を展開し、社会課題である人材不足の解決策を提供している。成熟環境下にある自社のビジネスをどう革新していくか、親和性のある成長領域へとシフトを考えねばならない。

4.プラットフォームモデル

ZOZOの「ZOZOTOWN」に代表されるビジネスモデルである。プラットフォームを構築することによ り、企業、消費者が自然と集まってくる。また、エアークローゼットが展開するファッションレンタルサービス「airCloset」は、普段着を月額制でレンタルできる、業界の常識を覆したビジネスモデルだ。 このプラットフォームモデルは、特にシステム系のベンチャー企業が多く参入しており、アパレル業を本業とする企業にはなかなかハードルが高い。キーワードは「集める」から、「集まる」。いかにパートナー先を早期に見つけ、アライアンスによってビジネスモデルを構築していくかが鍵である。

5.ファッションテックモデル

今、多くの産業で注目されている「×Tech」は、アパレル業界では「ファッションテック」と呼ばれている。この登場によって、アパレルにおける価値観が「モノからコトへ」「所有から共有へ」「自前から連携へ」と変化をたどっている。 前述した通り、AIやVR、ロボットといった成長著しい最先端技術を自社のビジネスモデルに取り入れ、業界の価値観そのものを自社が先行して変えていく、創っていく発想が重要である。既存の概念にとらわれず、業界の非常識に挑戦していくことが大事だ。この分野への参入に際し、かかる費用をコストではなく、戦略投資として考えることが肝要である。   アパレル業界はスタートアップ企業の台頭が目覚ましい。前述したビジネスモデルのうち、プラットフォームモデル、ファッションテックモデルで成功する企業のほとんどはスタートアップ企業だ。老舗企業ほど、台頭するスタートアップ企業の秀逸なビジネスモデルから学びを得ることが肝要である。   最後に、アパレル企業のビジネスモデルイノベーションに向けた着眼を【図表2】(P23)にまとめた。ぜひ、未来の顧客の価値観を先取りしたビジネスモデルを創造していただきたい。

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進む"婦人服"離れ
「DtoC」と"より善い"服作りが再起の鍵
アイビールック、ミニスカート、DCブランド――かつて日本では、「ファッション」の大流行が景気を引っ張った。だが、バブル崩壊以降はすっかり鳴りを潜めている。日本のアパレルが景気の表舞台に立つことは、もうないのだろうか。

 一定期間(100日~1年)、服を一切買わずに過ごす「ファッション断食」が女性の間で静かなブームだという。2014年、『フランス人は10着しか服を持たない』(ジェニファー・L・スコット著、大和書房)がベストセラーになったことは記憶に新しい。最近は服を買わない、持たないことが"ファッショントレンド"になっている。 この背景には、消費者の"断捨離"(不要なモノを減らし、生活の質的向上を図る考え方)志向がある。消費者庁が2017年に発表した「平成28年度消費者意識基本調査」によると、「今後節約していきたいと思っているもの」として「ファッション」(37.4%)を挙げる人の割合が最も高く、食費や通信費(電話、インターネット)、交際費などを上回った。(【図表1】)

【図表1】今後、節約していきたいもの

出典:消費者庁「平成28年度消費者意識基本調査」(2017年6月28日)

 また、「みんなのかくれ資産調査委員会」が行った推計結果(2018年)によると、フリマアプリ「メルカリ」の平均取引価格で換算した、日本国内の"かくれ資産"(家庭内で1年以上使われていない不要品)の総額は約37兆円(国民1人当たりで約28万円)に上り、このうち42%が「服飾雑貨」(11万7159円)だという。(P28【図表2】

【図表2】日本の"かくれ資産"

出典:みんなのかくれ資産調査委員会
(監修:ニッセイ基礎研究所、データ提供:メルカリ)

 ファッションを非実用的と感じる人が増えている。当然、その影響はアパレル消費を直撃する。総務省の「家計調査」から「被服及び履物」の支出状況を見ると、2018年の1世帯当たり年間支出額(全国、2人以上世帯平均)は13万6613円(前年比0.8%減)と4年連続で減少し、消費支出全体に占める割合は3.96%と4%を割り込んだ。 この「被服及び履物」と「消費支出」のそれぞれ名目金額指数(2000年=100)を時系列で見てみると、消費支出全体では90前後で推移しているのに対し、「被服及び履物」は60台まで低下している。消費支出の水準以上に減っており、他の支出の推移と比べても、被服・履物が節約対象となっていることは明らかである。(【図表3】)

【図表3】「被服及び履物」全国1世帯当たり 年間支出金額(2人以上の世帯、平均)と名目金額指数の推移
出典:総務省「家計調査」(家計収支編)

 この「被服及び履物」の金額には、クリーニング代や服のレンタルなどのサービス、靴、非日常着の和服、生地などが含まれている。そこで一般的なアパレル支出(男子用、婦人用、子ども用それぞれの洋服、シャツ・セーター類、下着類)に限定してみると、支出額は2000年の14万1459円から、2018年は9万5022円と4万6437円も減少している。(【図表4】)

【図表4】男子・婦人・子どものアパレル支出 (2人以上の世帯、1世帯当たり年間支出金額平均)の推移

※衣料品計:「洋服」「シャツ・セーター類」「下着類」の合計

出典:総務省「家計調査」(家計収支編)

 特に、金額面で低調なのが婦人用の衣料品だ。支出額は2000年の8万円から、2018年は5.4万円と約2.6万円減少した。男子用(約1.5万円減)や子ども用(約0.6万円減)を上回る減少額である。 そのため、これまで婦人服を中心商材と位置付けてきた百貨店が、最近は婦人服の売り場面積を縮小させている。例えば、大丸や松坂屋を展開するJ.フロントリテイリングでは、今中期経営計画(2017~21年度)で婦人服売り場を30%圧縮(2016年度比)させる方針を掲げている。婦人服売り場を改装し、成長分野の美容や食品、生活雑貨を拡大するという。 明るい話題が少ないアパレル市場だが、成長分野はある。例えば、衣料品(服飾雑貨を含む)の BtoC-EC(企業対消費者間の電子商取引)市場が拡大を続けている。経済産業省の推計によると、その市場規模は2017年で1兆6454億円。前年に比べ7.6%増と好調だった。この市場規模は物販系BtoC-EC市場の中で最大である。(【図表5】)

【図表5】BtoC-EC(物販系)の主要5分野の市場規模推移(下段はEC化率)

出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」

 成長著しいアパレルのBtoCEC市場をけん引するのが、「DtoC(D2C)ブランド」市場だ。DtoCとはダイレクト・トゥ・コンシューマー(Direct to Consumer)の略称で、中間流通を通さない自社企画品の直接販売モデルを指す。似た業態でユニクロに代表される「SPA」(製造小売業)があるが、SPAは店舗で売るのに対し、DtoCは主としてインターネットで売るという違いがある(最近は実店舗で販売するブランドもある)。 BtoC-ECアパレル市場の中心は20~30歳代の女性客。経産省によると女性市場は男性の2倍以上に上るという。今後は男性客や中高年層の女性によるオンライン購入が増えるとみられており、まだまだ市場拡大の余地は大きい。 また、メルカリの普及でCtoC(個人間取引)のリユース(再利用)市場が拡大していることも、衣料品の新規購買を促す追い風になりそうだ。フリマアプリのような、個人同士で行われる2次流通(中古品流通)が活性化すると新品がますます売れなくなるといわれがちだが、服を売る消費者のワードローブの中身を減らして収納スペースが生まれ、取引で得た売却益を元手に新品の購入につながるという側面も併せ持っている。 スマートフォンから、いつでも誰もが簡単に手持ちの服を売却できるプラットフォーム。そして「服を捨てず誰かに売ることで、環境保護に貢献している」「発展途上国の原材料を使って作られた服を買い、貧しい人々の暮らしを支えている」というエシカル(倫理的、道義的)な動機が加われば、現在の消費者は自発的にタンス在庫の服を売り、新品の服を買い、それをまた換金して新しい服を買う、という新たな消費サイクルが回り出すだろう。 消費者庁の調査によると、エシカルな商品・サービスの購入意向がある人の割合は約6割を占める。また、すでに購入経験がある人の割合は約3割で、商品別に見ると食料品、その他生活用品、そして衣料品、家電・ぜいたく品の順に高くなっている。エシカルな衣料品に対し、通常品より割高でも許容できると回答した人の割合は約6割(63.2%)を占めた。 「より好い(格好)」から「より良い(価格)」、そして今後は「より善い(消費)」に貢献する服作りが、景気のけん引役になるかもしれない。

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