緊急提言1 We are Business Doctors ――
「コロナショック」「東京オリンピック延期」
今こそ、経営者リーダーシップの発揮を
タナベ経営 若松 孝彦

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2020年5月号

 

 

世界経済は混乱しています。新型コロナウイルスの感染拡大による「コロナショック」は、中国・欧州・米国をはじめ地球規模へと拡大。多くの国・地域が非常事態宣言を発令し、主要都市が次々とロックダウン(都市封鎖)に追い込まれました。これを受け、IMF(国際通貨基金)は2020年の世界経済の成長率(実質GDP成長率)が、2009年以来11年ぶりにマイナスに陥るとの見通しを示し、ドイツのメルケル首相は「第2次世界大戦以来、最大の試練」と表現しました。世界経済が、そして人類が「想定外の有事」に瀕しています。

 

過去を振り返ると、2008年のリーマン・ショック以降、“想定外”のショックが立て続けに発生し、その都度、危機的な経済状況に陥っています。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、全国各地で度重なる「これまでに経験したことのない」豪雨、そして2020年は感染症のパンデミック(世界的大流行)。要するに、これからはこうした想定外のショックを前提に経営を行う必要があるということです。今後の経済統計は最悪の水準を示していきます。昨対比は意味がなくなり、リーマン・ショック対比になるでしょう。

 

「危機に強い経営」は、私たちタナベ経営が、コンサルティング経験に基づいて提言してきた「経営の原則」そのものだと自負しています。創業以来、一貫して提言してきたと言っても過言ではありません。

 

今回のコロナショックにより、東京オリンピック・パラリンピックの延期(2021年7月23日開幕)が決定しました。延期開催ができるかどうかは別にしても、これはオリンピックをメルクマール(指標)として、コロナとの戦いを1年で収束させたいという政府の意志の表れである一方、落ち着くまで1年はかかるだろうという予測でもあります。

 

ただし、今回の危機はリーマン・ショックのような金融機能の破綻ではないこと、また東日本大震災のような地域の壊滅的損害が生じているわけではないことを考えますと、経営対応策は時間差が生じ、地域、業種、規模、症状によって異なるため、「打つ手はまだある」と言えます。いずれにせよ大原則は「経営は悲観的に準備して楽観的に行動する」こと。冷静な現状認識と的確な判断、そして今やるべきことを決めてスピーディーに取り組むことが大切です。

 

「We are Business Doctors」を掲げるタナベ経営からの緊急提言として、今号から数回にわたり、私自身のコンサルティング経験も踏まえた短期および中期対策の誌上コンサルティングを実施します。少しでも役立てていただければ幸いです。

 

 

 

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