緊急提言 Vol.2 We are Business Doctors――
今こそ、経営者リーダーシップの発揮を
タナベ経営 若松 孝彦

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2020年6月号

 

 

1.「休業経済」という現実
――朝の来ない夜はない

 

コロナショックによる日本経済への影響は、地域別・業種別の「時間差」がこの1カ月でなくなり「同時化」しました。4月14日、IMF(国際通貨基金)は「世界経済見通し」で2020年の世界経済成長率を前年比3%減と予測し、1929年に始まった世界恐慌以降で最悪との認識を示しています。日本の経済成長率は5.2%減との予測です。

 

見通しがないまま経済を止めるツケは、2次被害、3次被害として必ず国民に戻ってきます。ホテル、旅行、外食、流通、交通、エンターテインメント、自動車、アパレル、外資系企業、金融機関から商店街まで、マイナスの影響は計り知れません。

 

原油価格の下落も深刻です。4月20日、ニューヨーク原油先物市場で米国産標準油種(WTI:ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月渡しの先物価格が史上初めてマイナス(1バレル=マイナス37.63ドル)となりました。売り手がお金を払って買い手に引き取ってもらう状態です。経済活動の低下を受けて原油の需要が大きく後退したため、買い手がつかなくなっています。世界経済が逆回転を始めました。

 

5月初旬現在、日本では国民への生活補償すら実質的に進んでいません。やはり、私たち企業家が「経営を止めない、経済を止めない」ことを原則に、今こそ経営者リーダーシップを発揮する必要があるのです。

 

この原則を大前提として、本誌2020年5月号「緊急提言Vol.1」では、次のような「短期と中期、15の打つべき手」を発信しました。

 

 

〈短期対策〉
経営を止めないための緊急対策

 

資金繰り対策
ショック後3~6カ月先の資金繰りに要注意

 

金融機関との関係強化
メインバンクを明確にした資金手当て

 

全天候型の業績シミュレーション
雨に備え、今に集中せよ

 

サプライチェーンシフト
供給と物流網の再構築

 

人材資源の適正シフト
総動員の最適配置で難局を乗り切れ

 

BEP(損益分岐点操業度)の経営
あらゆる生産性を抜本的に革新する

 

政府や自治体からの助成金・補助金・法律改正など
全ての支援を活用せよ

 

 

〈中期対策〉
朝の来ない夜はない。備えを怠らない

 

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)&サステナブル投資
守りを攻めに転換する戦略

 

キャッシュ、キャッシュ、キャッシュ
「キャッシュ イズ キング」。手元資金計画の策定

 

リスク分散投資
卵を一つの籠に盛らない

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)投資
デジタルリーダーシップを発揮せよ

 

デジタルマーケティング投資
顧客課題にフォーカスする

 

ブランディング投資(インナー&アウター)
企業価値に投資し、高めよ

 

M&Aと事業承継
コロナショック後の企業価値へ投資せよ

 

中期ビジョン再策定
「強み」に経営資源を重点投下せよ

 

 

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