ウィズ/アフターコロナの戦略提言
今こそ、経営者リーダーシップの発揮を
〈日本経済編II〉
国と地域のトランスフォーメーション
タナベ経営 若松 孝彦

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2020年9月号

 

 

8.サステナブル・SDGsテック戦略で貢献価値を発揮せよ

 

ウィズコロナ時代の今こそ、SDGs(持続可能な開発目標)へ積極的に取り組み、世界経済を支援していくことが大切になる。東京オリンピック・パラリンピック(2021年開催予定)、大阪万博(2025年開催予定)に向けたメインテーマとなり得るだろう。

 

2020年の世界経済フォーラム「ダボス会議」で「世界で最も持続可能性のある企業100社」(コーポレート・ナイツ社)が発表されたが、トップ100にはアジアから16社がランクインし、日本からは積水化学工業、武田薬品工業、コニカミノルタ、花王、パナソニック、トヨタ自動車の6社がランクインした。アジア・太平洋地域内ではトップの社数である。私は、日本が世界で勝ち残るためには、「サステナブル企業」としてブランディングをすることが大切だと考える。

 

スイスのIMD(国際経営開発研究所)の世界競争力ランキングで、日本の順位は年々低くなり、2020年は過去最低の34位であった。ただし、235項目の長期的な基準において「環境関連の技術」が2位だった。

 

私は、日本という国の貢献価値は、サステナブル(持続的成長)・SDGsテックにおいて、国も企業もファーストコールになることだと考える。結果、世界からリスペクトされる国・企業になる。これらをポストコロナ時代におけるグローバルな戦略ポジションとし、そのためのロードマップをビジョンの中に組み込んで策定することだ。SDGsに取り組むサステナブルテック戦略を、日本が世界に向けて発信する基本戦略としなければならない。

 

以上の8つの戦略を「国と地域のトランスフォーメーション 日本経済編」として提言する。「朝の来ない夜はない」。ポストコロナの新しいグローバル社会の中で、日本や地域が貢献価値を発揮できる枠組みをリデザインすることが急がれる。提言した8つ以外にも多くのアイデアや施策を日本の「One Vision」として策定し、その中で大切な税金や資源を戦略的に再配分することが「国と地域のトランスフォーメーション戦略」となる。

 

「未来は創るためにある」。今こそ、国や地域の経営においても、ビジョン策定、発信という経営者リーダーシップが求められている。

 

 

 

 

 

タナベ経営 代表取締役社長 若松 孝彦(わかまつ たかひこ)
タナベ経営のトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種を問わず上場企業から中小企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーはもちろん金融機関からも多くの支持を得ている。関西学院大学大学院(経営学修士)修了。1989年タナベ経営入社、2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て現職。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』(共にダイヤモンド社)ほか著書多数。