デジタルツールを活用した生産性改革
武政 大貴

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2021年1月号

 

 

出所:経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」(2018年9月7日)を基にタナベ経営作成

 

 

2025年の崖

 

2020年の新型コロナウイルス感染拡大を契機に、企業規模の大小にかかわらずDX(デジタルトランスフォーメーション=最先端のデジタル技術を活用した経営革新)への取り組みが加速している。

 

ただし、それ以前からデジタルツールの活用は企業の大きな課題であった。経済産業省が2018年9月にまとめた「DXレポート」によると、企業が既存のITシステムを刷新せずに放置すれば、2025年以降は日本全体で最大12兆円もの経済損失が毎年続くとされ(「2025年の崖」問題)、先進分野であるはずのITシステムの老化に危機感が高まっていた。そしてコロナ禍によってデジタルシフトが一気に進んだのである。

 

もっとも、この背景には、「動く」ことに抵抗感を覚える人が増えた、デジタル化への心理的ハードルが低下した、リスクヘッジに対する重要度が高まったなど、人々の価値観が大きく変化したことも影響した。

 

価値観が変わったことによって、「社会」(ルール)、「業界」(付加価値)、「企業」(働き方)、「個人」(ワーク・ライフ・バランス)などコミュニティーにさまざまな変化をもたらした。こうしたニューノーマル(新しい常識)が生まれる時代では、人々が「高度化」(考え方)、「自動化」(業務)、「離散化」(労働環境)、「合理化」(行動)していく。そのためデジタルツールを効果的に活用し、生産性を高めていくことが企業の最重要課題となった。とりわけAIの急速な進展により、「自動化」「離散化」および「合理化」については早急な対応が求められている。

 

 

 

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