設計業務が効率化できる
建材情報のプラットフォームを構築
トラス

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2020年2月号

 

 

トラス 代表取締役 久保田 修司氏
2014年にトラスを起業。「日本の建材が豊富なら、その材料選びも大変なのでは」という考えが湧いてきたのが起業のきっかけです

 

 

膨大な数の外壁、内装材、断熱材などをメーカー横断で簡単に検索でき、しかも性能や価格を比較できる建材情報のプラットフォーム「truss」。このウェブサイトによって、建築設計はどのように変わるのだろうか ――。

 

 

煩雑な建材選びが簡単なウェブサービスを考案

 

建材(建築材料)の種類は膨大だ。一戸建て住宅1棟当たりの部材・部品数は1万点以上とされる※1。それぞれの素材や性能、サイズ、色などを含めると数十万点にも達している。設計者(建築士)は、何百社ものメーカーがそれぞれ発行している分厚いカタログのページをめくり、膨大な種類の製品群の中から使いたい外壁や内装材など、適切な建材を選ばざるを得ない。

 

設計者は業務の一部にすぎない建材選びに多くの時間を割かなければならず、煩雑なことこの上ない。そんな設計者の悩みを解決しようと生まれたのが「truss」である。2016年9月に建材検索サイトとして開設され、掲載している建材数は33万7976製品(2019年12月現在)。主要メーカー約80社の製品を横断的に選べるとあって、3000名を超える設計者が利用している。

 

同サイトを立ち上げたのは、トラス代表取締役の久保田修司氏だ。東京大学大学院を修了後、大手総合商社の丸紅に入社。建材検索サイトを立ち上げるために退職し、2014年にトラスを起業した。久保田氏は学生時代、建築を専攻していたが、当時の建設業界は給与や長時間労働など待遇面があまり良くないことを知り、大きな建設プロジェクトと携われる商社に就職した経歴を持つ。

 

「丸紅では海外の水道インフラの整備や海水を真水にするプラントの仕事に携わっていました。海外赴任の際、たまたま仕事でヨーロッパに3週間程度行った時に統一された外壁など、街並みの美しさに感動したんですね。ところが、日本に帰国したら建物の色やデザインはバラバラ。良くも悪くも(日本は)建材の種類が豊富ということが分かりました。建材が豊富ならその材料選びも大変なのでは、という考えが湧いてきたのがそもそものきっかけでした。事実、知り合いの小さな設計事務所に行くと、その規模に不釣り合いなほど数多くの建材カタログが並べられているのを見て、この状況を何とかしようと起業しました」(久保田氏)

 

久保田氏は早速、資金集めのための投資家へのプレゼンテーションと同時に建材メーカーを回った。各メーカーに、建材検索サイトの構築に当たって協力を要請するためだった。が、なかなか人と会えなかったり、面会しても色よい返事をもらえなかったりすることが多かった。それでも2年ほどの間に約60社から同意を得て、トラスの設立にこぎ着けた。

 

※1 野村総合研究所「建設資材の物流に関する現状と課題について」(2018年12月21日)

 

 

建材の検索ページ
サイズや価格だけでなく、使用する建物の種類や柄など多彩な項目から建材を検索することが可能

 

 

 

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