危機対応による業績V字回復とグローバル展開を支援
元日本電産 取締役専務執行役員 最高財務責任者
CFOサポート 代表取締役社長 兼 CEO
東京都立大学大学院 経営学研究科 特任教授
吉松 加雄 氏

1 / 4ページ


2020年6月号

 

 

世界シェアナンバーワンの製品群を持つ総合モーターメーカーの日本電産。業績不振からの迅速な回復や国境を越えたM&Aを成功させ、カリスマ創業者を支えたCFOの実績を検証する。

 

 

カリスマを支えた“懐刀”

 

世界屈指の総合モーターメーカー・日本電産のCFO(最高財務責任者)としてカリスマ創業者の永守重信氏を支え、業績不振からのV字回復やグローバルなM&A(会社の合併・買収)のPMI(Post Merger Integration:買収後の統合)を推進した立役者が吉松加雄氏だ。

 

「私の考えるCFOの役割は、持続的に企業価値を向上させる戦略を立案し、最適かつ合理的な意思決定によって“結果”を出していくこと。経営者の意思決定を支援し、自ら実行を推進するビジネスパートナーと言うべき存在です」

 

そう語る吉松氏が日本電産に入社したのは2008年1月。当時、「科学的な経営の導入による経営管理の高度化」「グローバル化」「M&AとPMI」が日本電産CFOのミッションとして掲げられており、その推進役として日本企業と外資系企業でCFOの経験豊富な吉松氏に白羽の矢が立った。吉松氏は同年6月に50歳で最年少取締役となり、2009年6月にはCFOに就任。7年間CFOを務め、その後2年間、欧州に駐在しながらグローバルPMI推進統轄本部長としてM&AのPMIを統括し、2018年6月までの計10年間、役員として同社の企業価値の向上に力を注いだ。その実績を検証していこう。

 

ちなみに吉松氏が日本電産に入社した2008年の12月末と、役員退任前の2018年3月の同社の株式時価総額を比較すると、4991億円から4兆8866億円へ約10倍の伸びを示している。

 

 

 

1 2 3 4