Vol.54 関ケ原製作所

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2020年6月号

 

 

人間主体の経営を追求
セキガハラウェイで未来へ

 

 

「工業製品の宮大工」に今も息づく創業の精神

 

天下分け目の関ケ原―。群雄割拠の戦乱の世に、幕を下ろした合戦から420年。歴史にその名を刻む古戦場跡に本社・工場を構えるのが、関ケ原製作所だ。

 

1946年の創業時から手掛ける鉄道関連製品は、列車軌道の分岐器がJR東海のシェア6割を占める。また、鉱山機械向け油圧機器、商船機器、舶用特機、精密機器や大型製品、軸受用製品など、7つの事業領域で超高精度のオーダーメードを展開するニッチトップメーカーだ。自らを「工業製品の宮大工」と呼ぶのは、高付加価値の一品モノをつくり出す矜持の表れ。その姿にはいつも創業の精神が息づいている。

 

「創業者・矢橋五郎は『人を中心に、その可能性を大切にする』会社を志しました。徹底的に従業員の立場に軸足を置く、人間主体の経営です」。経営企画室経営企画部部長の安田知興氏はそう語る。

 

1970年代のオイルショック時、取引先の倒産で経営危機を迎え、苦渋の決断で人員を合理化した。「人を犠牲にする経営は二度と繰り返さない」と誓い、志を継いだ2代目社長・矢橋昭三郎氏は、1980年代の円高不況の危機の際、全従業員との懇話会を開催した。

 

互いに学び高め合いながら、全員が主役となって一人一人の人生が充実する光景を「人間ひろば」と定義。事業利益の追求だけでなく、人づくりの探求を重視する企業像を目指していった。基本理念「限りなく人間ひろばを求めて」を定めたのは、ES(従業員満足度)の概念が世間に広まるずっと前のことだ。

 

グループ売上高199億円、社員数390名(2019年5月期)へ成長を遂げた今も、その理念はしっかりと受け継がれている。2018年、現社長の矢橋英明氏が就任時に掲げた旗印は「ひろば経営」だ。従業員の満足なくして顧客が満足するものづくりはできないと考え、「ひろば経営はミニマム51%、事業経営はマックス49%」と宣言。人間主体の経営は、進化形へと一歩を踏み出した。

 

 

関ケ原製作所 経営企画室 経営企画部 部長 安田 知興氏(左)
関ケ原ゼネラル・サービス 環境グループ miraiチーム 主任 山口 知加氏(右)

 

 

 

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