Vol.56 山田製作所

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2020年10月号

 

 

 

 

「多品種・スピーディー」にこだわり、
危機に強い企業体質を実現

 

 

少量・多品種に軸足を置き販路を拡大

 

自動車関連部品や電気機器をはじめ、さまざまな業種の工場が集積する愛知県春日井市。1977年にこの地で創業した山田製作所は、真鍮やアルミ、ステンレスといった金属の切削加工に特化した精度の高いものづくりを武器に事業を広げてきた。

 

時代に合わせて、ガス給湯器関連や水道部品、空圧継ぎ手、医療関係へと販路を拡大してきた同社だが、愛知県にありながら自動車関連に事業の軸足を置いていない。その理由について代表取締役を務める山田政浩氏は、「参入した時期が関係している」と説明する。

 

「私が会社を起こしたのは高度経済成長期を過ぎた時期でした。金属加工においては、この地域で最後発に当たります。大量発注が見込まれる自動車分野にはすでに先発企業が参入しており、当社の入り込む余地はありませんでした」

 

ただ、一方で少量・多品種の切削加工には、まだ仕事が多く残されていた時代。そこに着眼し、地道に取り組んだからこそ「生き残ることができた」と山田氏は振り返る。

 

「少量・多品種生産の場合、大量生産と違って頻繁に機械をセッティングする必要があります。そうした仕事を数多く経験したことで技術力が高まり、人材が育ちました。これが現在の当社の強みとなっています」(山田氏)

 

例えば、2014年にスタートしたデンタル歯科材料の加工はその好例だ。ホームページをきっかけに見積もり依頼を出してくれた企業にサンプルを提出すると、高い加工技術が評価されて採用が決定。これまでに蓄積した豊富なノウハウを生かせる新たな市場は、将来的に需要拡大が見込める有望分野であるだけでなく、経営を安定させる事業ポートフォリオの面においても重要な位置付けとなっている。

 

「幸いなことに、当社は新型コロナ禍の影響をほとんど受けていません。デンタル歯科医療分野で新たな事業が育っていることも一つの要因ですが、特定の業種に偏ることなく幅広い業種と取引があるおかげです」(山田氏)

 

 

山田製作所 代表取締役 山田 政浩氏(左)
山田製作所 製造部 松田 麗奈氏(右)

 

 

 

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