Vol.45 マックスバリュ東海MYユニオン × タナベ経営 SPコンサルティング本部

2 / 3ページ


2020年1月号

 

 

身近に感じてもらえるよう、仕事や日常生活で使えるグッズを中心に製作

 

 

情報発信に注力し組合活動の浸透を図る

 

労働組合に限らず、異なる文化を持つ組織の統合は容易ではない。MYユニオンにおいても検討すべき課題はまだ残されている。2000年から14年間、MYユニオンの中央執行委員長を務め、現在は常任顧問を務める鈴木るり子氏は、「運営が安定するまでに、1年くらいはかかる」との見通しを示す。

 

「細かい部分を挙げれば、加入している社会保険から統一しなければいけませんし、組合の活動についても両組合では企画・運営の方法が違います。例えば、MYユニオンは組合本部がさまざまな活動の企画を行ってきたのに対し、MV中部労働組合は各エリアが順番に企画するボトムアップ型を基本としてきました。調整にはもう少し時間が必要です」(鈴木氏)

 

労働組合といえば、賃金や労働環境に関する労使交渉が一番に思い浮かぶ。しかし、実際は組合ごとに多様な活動が行われており、MYユニオンの場合、組合員の能力向上のサポートや福利厚生の充実、社会貢献など活動は多岐にわたっている。そうした労働組合の活動や存在意義の周知、浸透に特に力を入れてきたのが鈴木氏と勝俣氏だ。広報誌をはじめ、ホームページやグッズの配布といった複数のツールを活用しながら、組合員への情報発信に努めてきた。

 

「組合の活動は組合費によって賄われています。ですから、活動を続けていくためには、組合の活動や情報を組合員にしっかりと伝える必要があります。ただし、今の時代、一方的な情報発信では不十分です。相手にきちんと届けるには、鋭さや細やかさを意識することが大事。組合の活動や存在を“知っている”だけでなく、『腹に落ちる』ように伝える努力が必要なのです」(勝俣氏)

 

 

使えるグッズにこだわりより身近な存在へ

 

一方的でない情報発信とはどのような形か?例えば、MYユニオンは組合員に対して卓上カレンダーを配布しているが、そこには店舗で実施される高齢者に対する割引日、バレンタインデーやクリスマスといった季節ごとの行事が印刷されている。仕事に役立つ情報を盛り込むことで組合員がカレンダーを見るようになれば、それだけ労働組合は身近な存在になる。

 

「カレンダーは、タナベ経営から提案いただきました。この他にも、組合員に配布する手帳や30周年記念の印鑑付きボールペン、東日本大震災の復興支援手拭い、爪切り、防災グッズ、マイバッグなど、いろいろなグッズ製作にご協力いただいています」(鈴木氏)

 

MYユニオンがタナベ経営の手帳を配布し始めたのは2002年。ヤオハンがイオングループに入り、MV東海として再スタートしたタイミングだ。

 

「ヤオハン健康保険組合では手帳を配布していましたが、健康保険組合が切り替わったことで組合員への配布がなくなりました。手帳の配布については組合員から要望が出ていましたし、広報活動についても『伝わる』から『伝える』ツールへ変える良いきっかけになると思い採用しました」(勝俣氏)

 

手帳は制服のポケットに入るサイズを選び、店舗の連絡先や労働組合の制度、福利厚生の一環であるリゾート施設の紹介などの情報を盛り込んでいる。手帳に限らずMYユニオンが製作するノベルティーはどれも、仕事や日常生活の中で「使えるグッズ」だ。一方的に配布して終わりとならないように、デザインや耐久性にもこだわっている。

 

売り上げの一部を復興支援に充てるマイバッグはその好例だ。白地に深緑のアルファベットで小さくユニオン名を入れるという、シンプルなデザインを採用した理由について、「労働組合を知っていただく意味では『MYユニオン』という名称を目立たせたいところですが、皆さんに実際に使っていただきたいのでロゴ風のデザインにしています」と勝俣氏は説明する。その狙い通り、マイバッグは組合員や顧客の人気を集め、店舗などで見掛ける機会が増えている。こうした活動が、MYユニオンの名前や活動の浸透につながっていることは確かだろう。

 

 

 

 

1 2 3