Vol.48 三菱地所 × タナベ経営 マーケティングコンサルティング本部

1 / 2ページ


2020年10月号

 

 

大手総合デベロッパーが挑む
サステナブルで豊かな街づくり

 

 

ラグビーワールドカップ日本大会(2019年)などの応援グッズ(上)/インターネット上に開設した仮想の街「丸の内15丁目PROJECT.」(左)/左から三菱地所の長井氏、タナベ経営の小谷(右)

 

 

サステナブルな街づくりを目指して、さまざまな取り組みを進める三菱地所。街全体を巻き込み、SDGs実現へ向けて取り組むプロジェクトなどを推進している。

 

 

持続可能な社会の実現に注力

 

東京の表玄関である大手町、丸の内、有楽町(通称:大丸有地区)をはじめ、全国の中核都市で街づくりを展開する三菱地所。ビル事業、生活産業不動産事業、住宅事業、ホテル・空港事業、不動産サービスなど多彩な事業を展開する同社は、日本を代表する総合デベロッパーだ。

 

そんな同社は近年、街づくりを通じたサステナブルな社会の実現に取り組んでいる。

 

「三菱地所では、三菱グループの経営理念である『三菱三綱領』、つまり『所期奉公』『処事光明』『立業貿易』を創業以来、大切にしてきました。この三菱三綱領を現代風に翻訳すると、『グローバルな視野に立ち、フェアな事業を通じ社会に貢献する』という趣旨になります。これはSDGsのグローバルな社会課題の解決に向けた2030アジェンダとも共通します」

 

同社がサステナブルな社会づくりに積極的に取り組む背景について、サステナビリティ推進部プロモーションユニット副主事の長井頼寛氏はそう語る。

 

 

廃プラを減少させる「エコ弁プロジェクト」

 

大丸有地区では、三菱地所が中心になって立ち上げた各種団体と連携しながら、さまざまな環境保全活動を行っている。中でも「丸の内エコ弁プロジェクト」は、プラスチックごみとして問題になっている弁当容器のリサイクルを推進するため、2015年に試験的導入、2016年より本格始動した活動。現在、担当としてこのプロジェクトを推進しているのが長井氏だ。

 

「丸の内エリアでは年間約260万個もの弁当が販売されています。その弁当の容器に使われているプラスチックのリサイクル率は低く、ほとんどが焼却されていたのが実情。当然、排出される温室効果ガスも少なくありません。

 

丸の内エコ弁プロジェクトは、丸の内で販売されている弁当容器にP&Pリ・リパックという「はがせる」リサイクル容器を導入し、食べ終わればフィルムを剥がし、きれいな状態の容器を専用ボックスで回収する仕組みです。回収された容器は溶かして再生原料となり、約70%のリサイクル原料率を達成することができます」(長井氏)

 

使用後にフィルムを剥がすだけなので水洗いなどの必要がなく、利用者にとって負担が少ない上、水資源の節約にもなる。エコ弁が普及すればするほど、廃棄物が減る仕組みだ。

 

「このプロジェクトのすごいところは、当社がさほど関わらなくても、飲食店とユーザーが自然に取り組んでいる点。とはいえ、回収率の伸び悩みなどの課題も見えてきているので、今後はさらなる利用促進に向けて手を打っていく予定です」(長井氏)

 

丸の内エコ弁プロジェクトには、丸の内エリアの多くの飲食店(15件)が参加。回収ボックスもエリア内の各ビルに設置し、利用者の利便性を高めている。こうした協力体制の確立や回収ボックスの配置も、街づくりを手掛ける総合デベロッパーだからこそ可能なプロジェクトと言えるだろう。

 

また、2020年5月には、大丸有地区で三菱地所、農林中央金庫、日本経済新聞社、日経BPなどが実行委員会となり、「大丸有SDGs ACT5」プロジェクトを始動。「サステナブルフード」「気候変動と資源循環」「WELL-BEING」「ダイバーシティ」「コミュニケーション」の五つのテーマに基づく複数のプロジェクトを約5カ月にわたり実行し、SDGsを街の中で根付かせていく取り組みである。

 

 

 

 

 

1 2