新たな歩みを、変わらぬ心で
社員ハピネスを実現する年輪経営で次の100年へ
ナカリ × タナベ経営

1 / 3ページ

201903_index_consultaidan
2020年11月号

 

 

 

 

オールライスメーカー®として日本の食文化を支えるナカリ。堅実経営を継続する同社は近年、ジュニアボードで鍛えられたメンバーが中心となり、インナーブランディングを推進。社員を幸せにする企業を目指して次代に挑む。

 

 

堅実経営に徹し事業拡大と多角化を推進

 

日下部 コメは日本人にとって主食のみならず、清酒・焼酎・煎餅・みそなどの原料として日々の生活に深く浸透した“食の原点”と呼べる存在です。ナカリは主食用から加工用に至る全ての国内産米穀を提供する「オールライスメーカー®」を掲げ、加工用となる特定米穀の取扱量は日本一というニッチトップ企業です。まず、会社の概要をお聞かせください。

 

中村 1923年に初代・中村利三郎が肥料の販売と米穀の集荷を始めたのが事業の起点です。社名のナカリは創業者の名前に由来します。先の大戦下では旅館業への転換を強いられますが、戦後に事業を再開し、農林省(当時)指定の米穀集荷指定業者となって事業を展開。現在は、米穀を集荷、保管、加工、販売するオールライスメーカー®として日本全国へ販売網を広げてまいりました。

 

また、1982年に米穀小売会社のタカラ米穀、1989年に不動産総合コンサルタント会社のナカリエステート、1991年には宮城県初の大型炊飯センターとなるボン・リー宮城などを設立し、ナカリグループを形成しています。

 

日下部 オールライスメーカー®へと成長した原動力は何でしょうか。

 

中村 まず、農林省の指定業者という立場に早くから危機感を覚え、特定米穀の商品化や設備投資などを意欲的に行ったことが挙げられます。その危機感は的中し、1995年に新食糧法が施行され、届出さえ行えば誰もが自由にコメを販売できるようになると競争が激化。旧態依然とした事業を続けていた会社は次々に淘汰されました。

 

もう一つは、堅実経営を徹底したこと。堅実経営には内部留保の蓄積が必要不可欠です。当社の歴代の経営者は「利益を内部留保として残し、会社の土台を築く。また、設備投資を意欲的に行う」という高い志を代々継承しています。

 

日下部 内部留保の蓄積に注力するのはなぜですか。

 

中村 コメは年に1回しか収穫できず、その量も不安定な商品なので、秋に集中して大量仕入れをすることで、通年の安定供給が可能になります。当社の特定米穀の取扱量は3万tで日本一です。しかし、コメは相場商品なので価値の浮き沈みが避けられません。過去に10億円の在庫を確保していたものの、相場が暴落して5億円の評価損を出したこともあります。内部留保を充実させて「3年間で6勝4敗なら問題なし」といった考えを持たないと、このビジネスは成り立ちません。

 

日下部 内部留保した資金はどのように活用されているのですか。

 

中村 まず、投資です。2019年は主食用米の新工場や太陽光発電などの設備をはじめ事業用不動産などへ売り上げの約半分を投資しました。こうした積極投資を継続することによって、不動産部門とエネルギー部門が拡充し、米穀事業に続く事業の柱を確立することができています。堅実経営を徹底し、業界のファーストコールカンパニーであることを追求していく――。このような企業姿勢を社員と共有できているところが当社の強みだと思います。

 

 

ナカリ 代表取締役社長 中村 信一郎氏
1964年宮城県中新田町生まれ。1986年東北学院大学経済学部卒業。1988年中利商店入社(2001年ナカリへ社名変更)。2011年ナカリ代表取締役就任。2013年タカラ米穀代表取締役、2016年ボン・リー宮城代表取締役。大崎倫理法人会会長、全国米穀工業協同組合監査役。

 

 

 

1 2 3