CASE

株式会社田名部組(TANABUグループ)

100年の歴史を持つ 「情熱企業」 が目指す、
東北No.1建設企業グループへの挑戦

4代目社長が社員と一丸となって成し遂げた、
倒産の危機からの復活劇

青森県八戸市に本社をかまえる株式会社田名部組様は、間もなく創業100周年を迎える建設会社です。同社を中核企業として、株式会社八幡建設(本社 青森県八戸市)、中亀建設株式会社(本社 岩手県盛岡市)、株式会社竹田工務店(本社 新潟県新潟市)など、建設関連企業を中心に14社で「TANABUグループ」を形成しています。

同社の歴史は長く、2024年には創業100周年を迎えます。青森県で業界屈指の売上規模を誇る建設会社に成長された同社も、過去を振り返れば倒産も危ぶまれた時代があり、これまでの道のりは決して平たんなものではありませんでした。1995年に73億円あった完工高は、2006年には14億円にまで激減し、債務超過に。まさにこの年、4代目の社長に就任したのが、TANABUグループ代表の田名部智之氏。
田名部代表は社員と一丸となって、公共事業に依存していた経営体質からの脱却を図り、人材育成に注力しながら経営改革を進め、グループ年商133億円(田名部組単体では77億円)を超える規模の企業にまで復活を遂げました。

旺盛な成長意欲 ~事業の多角化と、事業エリアの拡大~

TANABUグループは建設業を軸としたグループ経営を展開していますが、分譲住宅を販売する株式会社ジェイホーム(本社 青森県十和田市)、再生可能エネルギー事業を営む株式会社田名部二本木エナジー(本社 青森県三戸郡南部町)、トレーニングスタジオやデイサービスセンターを営むNPO法人フォルツァ(本社 青森県八戸市)など、多角的に事業を展開しています。

また、グループ傘下の建設会社は、青森県に本社をかまえながら東京・仙台にも営業拠点を有する田名部組、岩手県に本社をかまえる中亀建設、新潟県に本社をかまえ福島県にも営業展開する竹田工務店と、建設業として事業エリアの拡大に取り組んでいます。
多くの業界が「市場の縮小」という経営環境に直面していますが、建設業もご多分に漏れず、成長ビジョンを描きにくい業界といえます。しかし同社は、『ひとりのココロ、みんなのココロ。「情熱企業」』というスローガンのもと、「価値提供できることを増やす=事業の多角化」と「価値提供する地域を増やす=エリアの拡大」を実践しながら、さらに成長するという情熱に満ち溢れています。田名部代表が掲げるグループビジョンは、「グループ年商500億円・東北№1の建設企業グループ」という壮大なものです。

成長への思いを発信し、伝える ~「グループビジョン」の発信~

企業のトップが壮大なビジョンを持っていても、それだけで企業が成長できるわけではありません。企業の成長は、「成長する意思=ビジョンの共有」と、「従業員の成長」によって実現するものです。同社では田名部代表が掲げる成長への思いを「グループビジョン」としてまとめ、社員に向けて発信する取り組みを行いました。なぜ、成長を目指すのか。TANABUグループが目指すべき姿はどのようなものなのか。どのようにその姿を実現するのか。それらの説明なしに、ビジョンは実現し得ません。
TANABUグループの理念は「人と地域社会のために」。ここに記されている「人」とは、従業員を含めたすべての利害関係者を意味しており、グループの成長は従業員の幸せにもつながるものです。地域社会への貢献はもとより、従業員の幸せの拡大のためにも、TANABUグループは、成長を目指しています。

目指すべき姿は、数値目標としての「グループであり、「情熱あふれる仕事で、お客様に満足以上の感動を提供」する企業です。そのビジョンを実現するために、価値提供領域(事業の種類と、事業展開エリア)の拡大を図る戦略を、同社は展開しています。そして、壮大なビジョンが単なる夢物語ではなく、倒産の危機から復活し県内屈指の建設会社に成長してきた「事実・実績」と、環境厳しい建設業界にも飛躍的な成長を遂げている会社はあるという「事例」を交えて、田名部代表が社員に説明をされました。
あわせて同社では、TANABUアカデミーの創設や、協力業者・地域パートナー企業とともに学ぶ場としての「田名部塾」の開講など、社内外の「人材育成」にも取り組まれました。

「ホールディング会社」の機能強化 ~グループを束ね、支える~

グループ経営を展開する上で、ホールディング会社が担う役割は非常に大きいと言えます。同社の場合、グループの事業・組織規模は拡大したものの、各社を束ね支えるホールディング会社の機能強化が、後手に回っていました。そこで、ホールディング会社への事業会社株の集約化、グループ社員が等しく実践すべき行動指針の策定と全社員への共有化、グループ社長会と各社内部管理部門担当者を集めた定例会議の開催、ホールディング会社と事業会社の決裁権限の整理、事業会社を管理するための規程の整備、決算月の統一化など、優先順位を決めながら、機能強化に取り組まれました。

建設会社を中心とした企業グループとは言え、前述の通り各社の事業は多岐にわたります。加えて、企業組織の規模も大小さまざまです。新たにグループに加わった企業は当然、社風も経営管理体制も同社グループとは異なるため、全てが順調に進んだわけではありません。それでもグループとして成長するために、ホールディング会社の機能強化は、越えなければならないハードルです。

人的資源・情報の交流、ノウハウの共有、外注に依存していた業務のグループ内での内製化、共同仕入れなどによって、事業会社が得られる利は、決して小さくありません。しかし、各社を統括するホールディング会社の機能がぜい弱では、事業会社の成長スピードは遅くなります。まして小規模の事業会社の場合、自社のみで実現しうる成長には限界があります。同社はホールディング会社の機能強化を進めることで、各社ならびにグループとしての成長を、加速させようとしています。

同社の今後について、クリアすべき課題はまだまだありますが、労働集約型の事業が多いため、人材に関する課題の解決が重要になります。すなわち、各社の経営を担う経営者人材の育成・輩出と、新卒・中途を問わず安定的な人材採用の実現です。これらの課題が解決できた時に、同社のビジョンは、きっと実現しているでしょう。

会社プロフィール

株式会社田名部組(TANABUグループ)

[ 所在地 ]
青森県八戸市石堂二丁目11-21

所在地 青森県八戸市石堂二丁目11-21
設立 1947年6月24日(創業1924年8月1日)
代表者 田名部 智之
売上規模 133億円(グループ計)
従業員数 411名(グループ計)

コンサルタント紹介

山本 剛史
タナベコンサルティング
取締役
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部山本 剛史
村上 幸一
タナベコンサルティング
取締役
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部村上 幸一
高島 健二
タナベコンサルティング
上席執行役員
九州本部長高島 健二
土井 大輔
タナベコンサルティング
執行役員
ストラテジー&ドメインコンサルティング事業部土井 大輔

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ABOUT

タナベコンサルティンググループは
「日本には企業を救う仕事が必要だ」という
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66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、
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企業を救い、元気にする。
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