2016.08.01

空白地帯「地方の虎向けビジネス」に賭けるコンサルたち
NewsPicks 2016年7月31日掲載

https://newspicks.com/news/1695496

(記事全文より該当部分を抜粋)

ナショナルチェーンの進攻に直面

最初に向かったのは大阪に本社があるタナベ経営。1957年創業の、老舗のコンサルティング会社だ。

業種業態問わず全国に1万社以上のクライアントを持ち、各業種・事業領域ごとの勉強会やセミナーを開催している。クライアントのボリュームゾーンは、売り上げ50億円規模の企業で、創業から第3世代、40歳前後の経営者が多く見られるという。

北海道・東北・新潟支社を担当する中村敏之常務は、「多くの地方が過疎化や高齢化に直面し、若者が仕事のある都会に流出する中で、彼らは地方にどう仕事をつくるのかを模索し、挑戦している」と語る。

その上で、顧客の課題解決という事業の使命はもちろん、地域をより良くしていきたいとの思いや使命感を持つ経営者が増えてきていると分析する。

九州・中四国・沖縄エリアを統括するタナベ経営の南川典大常務は、地域のなかでナショナルチェーンの進攻を食い止めることに頭を悩ませる企業が多いことを指摘する。

その中でタナベ経営は、地域の顧客から真っ先に声をかけられる「ファーストコールカンパニー」という概念を提唱し、それを実現するための戦略を指南しているという。「東京で10番目の企業よりも、その地域で1番の企業の方が強い」(南川氏)

「地域のスペシャリスト」を起用

では、セミナーに参加する経営者は、何を目的にしているのか。

中村氏は、リーマン・ショックや東日本大震災以降、経営者のニーズが変わりつつあると語る。

従来、経営者の多くは、会社の方針をいかに社員に浸透させるか、どのように人材育成し、組織をマネジメントするかといった「経営を基本から学びたい」というニーズを持っていた。必然的にタナベ経営でも、そうした点をカバーするセミナーを多く主催していた。

しかし2010年前後から、会社がもともと持っていた経営理念や方針が揺らぎ始めた。市場環境の変化により、そもそもの戦略自体を考え直す必要が生じ、「戦略構築」のテーマが増えてきたという。

そこで同社は、2つのアプローチから、クライアントに応えることを模索している。

1つは、「ビジネスモデルのキュレーション」だ。

全国各地のクライアントを抱える利点を生かし、応用可能なビジネスモデルの先端事例をクライアントに紹介する。

もう1つは、「地域と事業領域ごとの専門家の配置」だ。

タナベ経営は、小売、製造業といった事業領域や財務などのファンクション領域の専門家に加え、北海道、北陸、沖縄など地域の専門家を抱える。

そうした専門家をマトリックス的に配置することで「戦略パートナーとして期待に応えられる体制を敷いている」(中村氏)という。

*記事全文は、NewsPicksのサイトにてご覧ください。
https://newspicks.com/news/1695496