プラットフォーム戦略で成長する
ヨシムラ・フード・ホールディングス
- グループ経営
食品業界においてユニークなビジネスモデルにより成長を続けるヨシムラフードサービス。2008年に設立された持株会社であり、これまでに中小規模の食品会社23社へM&Aを実施し、総合食品グループとして成長を続けてこられました。その成長の軌跡と、数々のM&Aを成功させて、グループとして拡大して行くプラットフォーム戦略から学びます。
消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現
~ご当地食品ブランド事業と雇用を守ることで地域に貢献する~
後継者不在企業を譲り受け、グループ化して活性化する
ヨシムラフードサービスの1つ目の特徴は、中小の食品ドメイン企業をM&Aによりグループ化、機能別に統括して相互補完・相互成長を図る多角化・分散化戦略を進めていることです。CEOの吉村氏は、かつて証券会社に勤務し、資金調達のスペシャリストとして活躍されていました。その後独立し、出資や投資家の紹介を行っていたところ、ある時、後継者難を抱えていた出資先企業から丸ごと会社を買い取って欲しいという申し出がありM&Aを実施されたそうです。少子高齢化を背景に、食品市場は縮小を続けています。成熟市場でもあるため、各企業に高い技術力を持つベテラン社員も少なくないが、そのベテランも引退の時期を迎えている。加えて後継者も高齢化し、後継者問題も顕在化している。今や中小食品企業の後継者不在は深刻な問題なのです。これらの企業をグループに迎え、事業と雇用を守ることで、地域社会への貢献と食文化の維持を行っています。
グループ会社を「機能別に統括」し「相互補完・相互成長」を図る
~グループ会社の有機的な相互補完関係~
中小企業支援プラットフォームで中小企業に活力を吹き込む
2つ目の特徴は、中小企業プラットフォームとしての機能を有することです。地域における食品企業はご当地ブランドとして根付いており、地域にとって無くてはならない顔としての側面を持ちます。しかし、昨今のコロナ禍や厳しい経営環境の中で企業として地力が不足し、経営困難に陥っている企業も少なくありません。ヨシムラフードホールディングスは、企業の弱みを補完するプラットホーム機能を有しており、グループ・インした中小食品企業に新たに活力を吹き込み、次の3つのステップで再び成長軌道へと導いています。
(ステップ1)
会社の壁を越えて、機能ごとに横断的組織を構築
(ステップ2)
グループで最もノウハウを持った人材が統括責任者となり、グループ横断的に統括
(ステップ3)
各社bの持つ強みうぃグループ全体で共有し、弱みを補いあう
また、そのプラットフォーム機能は、①販路拡大、②効率化、③コストダウン、④新商品開発、⑤安心安全(品質管理)、⑥経営体制の構築、⑦海外販路拡大と多岐にわたり、いずれも中小食品企業の苦手とするところです。
会社の壁を越えて機能ごとに弱みを補い合っています。
ESG経営への取り組みを明確にし共感企業と共に地域を支援する
~社会資本を活用してビジネスモデルを回し企業価値を高める~
ステークホルダーから共感を高めると同時に地域社会へも貢献する
3つ目の特徴は、上場企業として中小食品企業をM&Aによりグループ化し、中小企業支援プラットフォームで成長軌道に乗せることで、社会資本の活用と地域社会への貢献を同時に満たすことにつなげていることです。M&Aでグループ・インを行った企業への貢献は、①後継者不在企業の存続、②経営人材の育成、③地方創生・地域の継続的な雇用創出、④サスティナブルな生産環境の実現、⑤中小企業の生産技術向上と工場のIoT化実現、⑥投資機会の提供、⑦永続な"おいしい"の提供と多岐に渡ります。これらの取組みを実践することがステークスホルダーからの共感を高め、地域社会への貢献につながり、持続的なESG経営へとつながっています。
いつまでも、この"おいしい"を楽しめる社会へ
~消費者が多様な食文化を享受できる豊かさの実現~
独自のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
最後にミッション・ビジョン・バリューによるグループ一体となっての理念体系です。複数のグループ企業が独立体を維持しながら共通のプラットフォームの中で成長を続けるには、グループの一員としての使命や目的、価値観を持つ必要があります。ヨシムラ・フード・ホールディングスとしてグループのミッション・ビジョン・バリューを定めグループ全体が同じ方向を向いて成長を続けています。
●ミッション...いつまでも、この"おいしい"を楽しめる社会へ〜消費者が多様な⾷⽂化を享受できる豊かさの実現〜
●ビジョン...地域の"おいしい"を守り、育て、世界へ
●バリュー...「あなた"らしさ"を⼤切にします」
目的は、食文化の承継と新しさの付加にあり、"おいしい"を楽しめる社会の実現にあります。このような社会的使命を実践することが、ヨシムラ・フード・ホールディングスを無くてはならない存在へと昇華しています。地域社会の維持・発展に貢献するという、存在価値を"貢献価値"まで引き上げたミッションを有しています。
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