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ブランドストーリー構築
- 認知度向上のための戦略的PRアプローチとは? -

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ブランド認知度向上は、広告や広報といった単発的な施策をただ実施しただけでは上手くいきません。広告や広報の施策を点ではなく1つの線にし、その製品や企業の「ストーリー」を伝えていくことが大切です。

ブランドは広告だけでは作れない。ブランドを築くストーリーとは?

戦略PRの手法を使って上手にストーリー発信

見た人が「好意的な印象」を持ってくれる方法を学ぼう

「ストーリー」は見た人、聞いた人、読んだ人の感情を揺さぶり、記憶に残り、強いエンゲージメントを築くことを目的としています。
極端な例ですが、「特別価格につき50%OFF」のような価格訴求ばかりのキャンペーン広告だけではブランドが築けないのはおわかりいただけると思います。
ブランド力が高い会社、例えばAppleやトヨタなどは「ワクワク感」や「先進性」、「環境への配慮」といった取り組みを、単なる製品情報や企業情報だけでなく「ストーリー」に仕立てて発信しています。(製品発表しかり、トヨタイムズしかり、広報戦略が非常に勉強になりますね)

それでは「魅力的なストーリー」はどうやって生み出すのか?それをどう発信していくのか?早速解説していきます。

人間の感情を動かす力を持っているストーリーこそが、「真のストーリー」と言えます。
ただのテキストの文字づらでも、映像でもありません。
大切なのは「相手の記憶に残るかどうか?」という点です。
そのためには、「感情を起伏させるためにはどうすればいいのか?」を理解する必要があるのです。

とりわけ、ビジネスの世界ではロジカルシンキングやファクトが求められ、論理的な思考が得意な人は多いと思いますが、事実を淡々と並べても、たくさんのデータを見せても、そのブランドの魅力が人々に届くわけではありません。
ブランディングやマーケティングの現場では、「人の心が動くエモーショナル」なストーリーを生み出さなければならない場面に遭遇します。
そんな時、どういったことを意識し、まず最初に何から手をつければいいのでしょうか。

心が動くストーリーテリングのポイント

鍵を握るのは「暗黙知」と「問題・課題」意識

多くの人との共有認識に注目して、ストーリーを組み立てよう

効果的なストーリーテリングには、「共感を呼ぶ事象」、「関心を引くコンフリクト(問題や課題)」、そして「納得のいく解決策」が必要です。
「共感を呼ぶ事象」というのは、日常における「あるある」や「わかる!その気持ち」といった共感を呼ぶポイントを表現することで、ターゲットの興味を引き、関心を高めることができます。
「あるある」は「暗黙知」とも言えます。
「世界共通」もしくは、「日本共通」「地域共通」で持っている「共通認識」を理解しておく必要があります。

例えば、「弱きモノを助ける」「環境に良いことをする」というのは、世界中で共通して持っている暗黙知、すなわち、多くの人々が成長過程で学んだ「正義感」にひも付きます。
つまりは、多くの人が認識しているモノ・事柄・倫理観・社会通念などの共通項をストーリーの核に据えることが、まずは簡単にできる入門編といえるでしょう。
ある有名なコーヒーブランドは、サステナビリティへの取り組み、フェアトレードを重視しており、動画やメディアを通じてそれらのストーリーを発信し、消費者の良心(環境意識や差別問題)に訴えかけました。
「ストーリー」により、「好意的」な印象を持ってもらうわかりやすい例といえるでしょう。

PRストーリーには、ロジカルに考えた「あざとさ」も必要

「あざとさ」とは「先を読み、人々を引き付ける」こと

ブランド構築・PR戦略には「心理学」が必要な理由

もう1つ、事例を紹介しておきます。
ヘアケア商品などを展開する外資系の大手コモディティメーカーは、「日本の新卒採用方法」「女性雇用」に異を唱える意見広告を展開しました。
「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」
このようなコピーを日経新聞の広告枠や交通広告、Web動画などの様々な媒体で展開、それに賛同する日本企業も多く現れ、ちょっとしたムーブメントになったのです。
みんなが思っている「問題」「課題」を上手に活用し、ただのヘアケア商品の広告では決して成し得ない、「称賛」や「共感」を得られた良いストーリーの事例です。

「環境に良いことをしたい」「自分より弱き人を助けたい」という気持ちは、「世界共通」で持っている「良心」に訴えかけることで、「SDGs」や「ESG」への取り組みも同じことが言えます。
広報視点でいえば、これは企業を守る「防御服」と言えるでしょう。
広告費などに多くの予算をかけブランドイメージを作っていく「攻めのブランディング」と、「守りのブランディング」の使い分けが大切なのです。

一見あざとく見えるかもしれませんが、それこそがPRやブランディングの視点でストーリーを語るということです。
社会(大衆)から好意的な感情を持ってもらうという点では、まさに心理戦とも呼べるでしょう。

PRストーリーを作成するには、自社の「ミッション」=価値観を理解すること

自社の中にある大切なことをキーワード化してみよう

次に、社会課題や開発背景などのキーワードも可視化してみよう

自社ブランドや製品ブランドに則したストーリーを作るには、まず価値観を理解することが重要です。
つまりは、「ミッション」や「パーパス」「ビジョン」に他なりません。そこがストーリーのスタート地点です。
また、前述したステークホルダーが何に価値を置いているか(暗黙知や共通項)を把握し、それに基づいたストーリーを展開することが大切です。
かつてシェイクスピアは、人の心が動くストーリーラインは32通りしかないと言いましたが、ハリウッド映画をみればセオリー通りだということがわかるはずです。
人の心が動くストーリーのパターンは限られており、それはロジカルだと言えるでしょう。

「環境のことを考えている企業である」「ジェンダーフリーを体現している」「地域経済に貢献している」等の善徳は、人に言わないで影で行うことが本来の姿ですが、企業活動としては発信して認識してもらうことが大前提です。
ここで、自社のミッションに立ち返ってみてください。
あなたの会社は、ただ単に「お金儲け」のために存在しているわけではないはずです。
ミッション・パーパス・ビジョンを一つずつ解釈して、それらのキーワードと、現在多くの人が抱える「社会的課題」、そして「自社製品」を結びつけるストーリーを考える、これこそが「真のストーリー」となっていきます。
まずは社内で「ミッション」へ立ち返り、「社会課題」と「暗黙知」を出し合ってみてください。

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AUTHOR著者

カーツメディアワークス
代表取締役社長

村上 崇

国立津山高専電子制御科にてロボットエ学を専攻。報道番組のディレクターとして数々の事件、政治、トレンド情報などのリサーチから取材、リポート、編集まで幅広く手がけ、情報収集と情報発信の礎を築く。その後、PRコンサルティングファームにてIT、Web、東証一部上場企業、グローバルブランドグループ企業、官庁など幅広い業種のPR&マーケティングコンサルティングを手がけて独立。戦略PRおよびデジタルマーケティングを中心とした株式会社カーツメディアワークスを設立。著書:「図解でわかるGoogleマーケティング」「クラウド情報整理術」「新しいWebマーケティングハンドブック」など5冊を執筆。連載実績:医療専門雑誌、金融機関向け専門誌等

村上 崇
ブランディング・PR/広報に関する相談会

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