BtoB/BtoCマーケティングの違いとは?
それぞれの特長から具体的な施策を

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マーケティングDX デジタルマーケティング
BtoB/BtoCマーケティングの違いとは?それぞれの特長から具体的な施策を
目次

マーケティングの重要性

製品・サービスのコモディティ化、2025年の崖、デジタル化などによる消費者の価値観の変化や、企業のDX推進がうたわれている昨今、企業理念の見直しやパーパス策定など、上流から潮流に踏み込んでいく動きが多く見られています。

その中でも、特にだれに・なにを・どのように商品・サービスを展開するのかというマーケティング視点をもって顧客にアプローチすることへの関心も高まっています。
マーケティングといっても採用マーケティングなどの経営分野、マスマーケティングなどの手法としてなど、切り口は多くありますが、今回はBtoB、BtoCそれぞれのマーケティングの違いについて解説をしていきます。

BtoB・BtoCそれぞれのマーケティングの違い

(1)マーケティング=一般消費者のためのものではない

「マーケティングはBtoCのためのもの」というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。しかし、マーケティングとは「一般消費者」に売るためのものではなく、企業として売れる仕組みを作ることがマーケティングなのです。そのため、BtoCは個人に対して、BtoBは取引先に対して購入してもらうためそれぞれの主要ターゲットに沿った考え方が重要です。

(2)BtoBマーケティングとは

BtoBマーケティングとは、取引先に対して商品・サービスを購入してもらうための戦略・戦術を策定することです。
特に重要なのは、営業効率を踏まえて考えることです。ただ単に取引先に対して商品・サービスを購入してもらうことがゴールではなく、顧客獲得プロセスを踏まえて社内外で人が動く仕組みを作る必要があります。

また、BtoBでは商品・サービスを取り入れることで自社に対してどのようなメリットが受けられるのかを的確に伝えことも重要です。個人へのアプローチではなく、あくまで企業対企業のコミュニケーションになるため、情緒価値よりも機能価値の伝え方の方が重視されます。自社には合わない・当てはまらないと少しでも感じさせてしまうと、離脱する確率が大いに高まるということは忘れてはいけません。

(3)BtoCマーケティングとは

BtoCマーケティングとは、一般消費者に対して商品・サービスを購入してもらうための戦略・戦術を策定することです。冒頭にも記載した通り、昨今の消費行動における価値観は多様化しているため、マーケティングの考え方やあり方も複雑化しているのが現状です。

しかし、抑えておくべきは「消費者の求めるニーズは何か」を追求していくことにあります。考え方・あり方は日々進化していきますが、お客様に支持をもらうためには、誰よりも早く・深くお客様の潜在ニーズに働きかけることが成功の要素です。
また、価値観の多様性により、従来のn=100というターゲットセグメンテーションの考え方が当てはまらなくなりつつあります。n=100ではなくn=1×100が現代の価値観に合ったグルーピングであるということは念頭に置くとよいでしょう。



【図1】BtoBとBtoCのマーケティングの比較(タナベコンサルティングにて作成)

【図1】BtoBとBtoCのマーケティングの比較(タナベコンサルティングにて作成)

BtoB・BtoCマーケティングでの代表的な施策

では、実際にそれぞれのマーケティングにおいて有効な施策はどのようなものがあるのでしょうか。

(1)施策を考えるうえで大事なマーケティングファネル

マーケティングでは主要ターゲットに沿った考え方が重要になるとお伝えしました。では、どのようにターゲットに沿って考えればよいのでしょうか。

そこで基準になるのがマーケティングファネルです。ファネルとは「漏斗」という意味で、ゴールに向けてターゲットの数が徐々に絞り込まれていく様子のたとえで使われています。マーケティングファネルは、顧客が認知拡大から商品・サービス購入までの流れを図にしたものです。

皆さんも感じたことがあるかと思いますが、認知した時と商品・サービスを購入した時では顧客の温度感や求めているものは大きく異なります。例えば、サイトリニューアルをするときにMAツールを入れようと検討する際、その時に初めてMAツールについて調べ始め、認知フェーズに立ちます。この段階ではMAツールがどういった機能があり、どういう活用ができて、どういう企業が主に使っているのか、という情報収集をしている状態です。この検討段階のターゲットに対して、MAツールを買ってください!とアピールしても、到底購入には結びつかないでしょう。むしろここの会社は営業色が強いから買わないでおこう、という気持ちも芽生える可能性すらあります。



【図2】BtoBマーケティングファネルの図(タナベコンサルティングにて作成)

【図2】BtoBマーケティングファネルの図(タナベコンサルティングにて作成)



【図3】BtoCマーケティングファネルの図(タナベコンサルティングにて作成)

【図3】BtoCマーケティングファネルの図(タナベコンサルティングにて作成)

(2)BtoBマーケティングの施策

BtoBの場合、主に認知~見込み顧客獲得までがマーケティング施策が有効に機能するフェーズになります。

1.コンテンツマーケティング<見込み顧客獲得>

コンテンツマーケティングとは、コンテンツを用いてターゲットに対して有益な情報・価値提供を行い、コミュニケーションをとるマーケティング手法すべてのことを指します。

その中でも、見込み顧客獲得のうえで有効な施策の一つがコンテンツSEOです。
コンテンツSEOとは、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを継続して配信することで、GoogleやYahoo のサイト検索で上位表示させ、自社Webサイトへの流入を増やすSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策の一つです。
コンテンツSEOを実施するうえでのポイントはターゲットユーザーの課題や興味関心を的確に捉えることです。ただ単に自社の商品・サービスについての説明を発信するだけでなく、ターゲットの課題・興味関心を潜在レベルで深掘りし、そのうえで、キーワード選定・コンテンツ制作・サイト集客を行うことが重要です。
また、コンテンツSEOを行うことで新規顧客開拓もできるため、営業効率化も図ることができます。

わが社が運営するメディアサイトである「TCG REVIEW 」もコンテンツマーケティングを行っているサイトの1つです。TCG(タナベコンサルティンググループ)の経営メソッドを軸に、ファーストコールカンパニー(100年先も一番に選ばれる会社)を志す社長・経営者・リーダーの皆さまの「決断」をサポートするメディアとして情報発信を行っています。

TCG REVIEW はこちら

2.メールマーケティング<見込み顧客育成>

見込み顧客育成をするうえで有効な施策の一つにメールマーケティングがあります。
メールマーケティングとは、メール配信をきっかけにターゲットとコミュニケーションを取り、購買プロセスをもう一段階上のフェーズへ引き上げることを指します。
新製品お知らせやイベント情報などをメルマガ配信し、情報提供を行うのが一般的で皆さまもイメージしやすいかと思います。

また、メールマーケティングをより有効にするには、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することも手段の1つになります。
MAツールを活用すると、顧客登録されたユーザーに対してステップメール配信や顧客管理まで行うことができるため、より精度の高いメールマーケティングとPDCA活動を行うことができます。

例えば、メルマガの送付後、「誰が」「いつ」メールを開封してリンクをクリックしてくれたかなどの行動データがMAツールに蓄積されていきます。そうすると、例えば休眠顧客だと思っていた顧客が直近で動きがあったなどのデータが可視化できます。顧客の動きを可視化することで、顧客のフェーズに沿ったメールの内容を送ることができ、メールマーケティングをより有効活用することができるようになります。

国内1,000 社以上に導入されている顧客管理システムを基盤としたクラウドサービスサスケのサイトには、メールマーケティングの成功事例も豊富に掲載されています。
施策のイメージをより具体化するために事例を見て情報収集することもおすすめです。

クラウドサービスサスケのメールマーケティング事例はこちら

(3)BtoCマーケティングの施策

1.WEB広告<集客、認知拡大>

インターネット媒体に出航される広告のことをWEB広告といいます。例えばGoogleやYahoo!などの検索エンジンに表示されるリスティング広告、TwitterやInstagram、Facebookに表示されるSNS広告などがWEB広告の種類の内の1つです。

WEB広告の主なメリットとしては下記になります。

①出稿費用・期間が比較的自由に設定できる
②ターゲットを詳細に設定できる
③効果測定がスピーディかつ詳細に分析できる
④広告内容・配信設定を期間中でも変更できるため、PDCA運用がタイムリーにできる


ターゲットに的確かつスピーディにアプローチできるため、認知拡大を行うのに有効な施策だといえるでしょう。
ペルソナやカスタマージャーを基にターゲティングや出稿先を検討すると成果が出やすくなるため、ペルソナ・カスタマージャーニーの設計や見直しもこの機会に行うのがいいでしょう。

また、昨今のcookie規制に伴い、cookieに依存しない広告手法も着目され始めています。例えば、ユーザーの行動履歴ではなくWEBサイトの内容・画像によって興味関心カテゴリをAIが抽出し広告表示を出しわけるコンテキスト広告などが該当します。

2.ファンマーケティング<LTV向上>

ファンマーケティングとは、商品・サービスに対して熱量の高いファンを増やすためのマーケティングの手法です。ファンマーケティングは昨今多くの企業より注目され始めていますが、その背景にはインターネットやSNSが普及され、情報がいつでもどこでも容易く収集できるようになったことにあります。情報収集が容易にできるようになったことに伴い、企業やマスメディアが発信している情報ではなく、実際に使用しているユーザーの生の声を重視する価値観に変化してきました。

その中でもアンバサダーマーケティングは、熱量の高いファンによって商品・サービスの魅力を発信・拡散してもらう手法のため、現代の価値観にハマった手法だといえるでしょう。

株式会社にんべんでは同社のことを好きな熱量の高いファンを集め、にんべんだしアンバサダープロフラムを発足しました。ポイントとしては、にんべん社員が運営するのではなく、アンバサダー自身が運営していることです。アンバサダー自身がやりたいこと、やるべきことを発信しているので熱量の高いアウトプットが拡散されており、よりロイヤルティの高いファンを醸成することに成功している良い事例になります。

だしアンバサダーについては株式会社にんべんのだしアンバサダーページをご覧ください。
https://www.ninben.co.jp/ambassador/

4. マーケティング施策実施の際のポイント

マーケティング施策を実施する際に重要なことは大きく3点あります。

①ターゲットはだれか
②ターゲットの求めている課題・興味関心のあることを追求すること
③購買フェーズに基づいた施策を実施すること


これらを抑えて売れる仕組みを構築することで、売上向上につなげていくことができるでしょう。

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