人事コラム
人材採用

内定者フォローとは?
内定通知後の辞退を防ぐ、内定者コミュニケーションのポイント

選考ステップに応じたコミュニケーションの取り方及び方法について解説

SCROLL

選考者との継続的な接点や情報に触れる機会を定期的に持つことが
採用力強化とミスマッチの軽減に繋がる

内定者フォローの必要性

内定者フォローの必要性

昨今、少子高齢化に伴う労働人口の減少や過去最大の賃上げ率など売り手市場の中、採用難易度は益々高まり、多くの企業は人手の量・質ともに苦労が絶えない状況である。そのような環境の中、採用担当者が苦労を重ねて応募者を集め、内定を出したが、入社前に辞退の連絡が入り、悔しい経験をされた方も多くいらっしゃるのではないだろうか。

以下のようなデータもある。
「マイナビ 2023年卒 企業新卒内定状況調査」によると、"内定者のうち3割以上が内定辞退をした"と回答した企業は57%もいるのだ。つまり半分以上の企業が、内定者の三分の一以上に別れを告げられている現実である。

また、昨今ではインターンシップの定義が変わり、採用の早期化が進んでおり、採用活動開始から入社までの期間が長期化しているため内定者の心を自社に向けさせ続ける必要がある。それを実現するためには、いかに継続的に内定者とのコミュニケーションを取るのかが重要となってくる。
本コラムでは、内定後の辞退を防ぐためのコミュニケーションポイントを解説する。採用活動成功の一助になれば幸いである。

内定辞退が起こる理由

内定辞退が起こる理由

なぜ学生は、内定を辞退するのだろうか。
「マイナビ 2023年卒 内定者意識調査」によると、入社予定先企業を決めた後不安になった理由として、以下が挙げられる。

1.社会人としてやっていけるかどうか不安
2.この会社できちんと務まるかどうか不安
3.他の内々定者と会う・接点がなく不安
4.この企業を選んだことに対する自信がなくなった。


これらは内定者とコミュニケーションや継続的な接点を持つことで解消できる問題である。

選考ステップにあわせた選考者との接点の持ち方

選考ステップにあわせた選考者との接点の持ち方

内定辞退を防ぐ方法を、選考ステップ別に解説する。

学生の不安を解消し、定期的に接点を持つためにぜひ活用していただきたい。

(横にスクロールできます)

内定辞退を防ぐステップ

出所:タナベコンサルティングにて作成

内定者コミュニケーションのポイント

内定者コミュニケーションのポイント

内定者とのコミュニケーションにおいて、大切なポイントは2点ある。


1つ目は、必要な情報を必要なタイミングで提供することである。
学生は就職活動で日々多くの情報を手にする。そのため、やみくもに情報を提供しても大切な情報が届かない可能性がある。
"相手が何を求めているのか"を考え、必要な情報を必要なタイミングで提供することで相手に伝わり、自社への理解が深まる。結果、志望度も高まる。入社前に高いエンゲージメントを持つことができれば、入社後の定着にも繋がる。


2つ目は、保護者へのアプローチの重要性である。
近年保護者へアプローチ(「オヤカク」と呼ばれることもある)をする企業は増加しており、企業説明会の実施や内定式への参加、会社案内や社内報の送付を行っている。また、採用HPに保護者用のページを設けている企業も増加している。
その狙いとしては、内定辞退率低下や定着率増加である。
保護者に自社の良さを知ってもらうことや信頼関係を育むことができれば、学生が入社に迷いを感じた時に保護者から引き留めをしてもらえることがある。


上記2点のほか、何より大切なのは「学生を放っておかないこと」である。
定期的に接することで双方の理解を深め、納得した上で自社への入社を選択することに繋がる。
そして、その過程をしっかりとフォローすることで、深い信頼関係が築けるのである。

企業の取り組み事例

企業の取り組み事例

最後に、企業事例を紹介する。
オタフクソースで有名な「お多福グループ」では、社会人の節目を迎える瞬間を一緒に過ごせるように、入社式にご家族を招待されている。
入社式では「声の手紙」と呼ばれる思いや決意を発表する機会がある。
そこでは、今までお世話になった人への感謝の気持ちを、新入社員がそれぞれの個性を活かして一人ずつ発表するそうだ。
楽器を演奏する人もいれば、ダンスを踊る人もいる。
このように、記憶に残る入社式の場を共有することで、強力な絆となり得るのだろう。

選考時に情報を定期的に発信することが入社後のイメージが具体的になり、採用のためだけではなく入社後のミスマッチの軽減にも繋がる。単発的な情報発信や偏った情報にならないように注意していただき、継続的な接点が持てるように予めスケジューリングしておくことから始めていただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

ABOUT TANABE CONSULTINGタナベコンサルティンググループとは

タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。
企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

コンサルティング実績

  • 創業 66
  • 200 業種
  • 17,000 社以上