人事コラム
人材育成

中小企業における人材育成の重要性とは

「人」こそが企業価値の源泉であり、最大の経営資本である

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人材の育成なくして、企業の成長なし

人材獲得競争の激化

人材獲得競争の激化

従来、経営における3大資源は「人・物・金」であったが、今は「人・人・人」であると言われている。
つまりは、人のいるところにお金が集まり物も増える。人こそが企業価値の源泉であるということである。

しかしながら生産年齢人口の減少などもあり、人材獲得競争は厳しくなる一方であり、これから益々厳しくなっていくことが予想されている。
リクルートワークス研究所の調査によると、中小企業(従業員数300名以下)における2024年3月卒の大卒新卒採用の求人倍率は6.19倍。
採用難職種においては10倍を超えることも珍しくない。
とても企業側が選べるような状況ではなく、必要人数を確保することすら難しくなっている。

中小企業における人材育成の重要性

中小企業における人材育成の重要性

採用難の時代において大事になってくるのは、既存社員に対する「育成」である。
縁あって入社してくれた人材に投資し、その人材価値を最大限に高めていくことは、企業が成長していく上で絶対に欠かせない。
逆に言えば、「人の成長なくして、企業の成長なし」と言える。
特に、大手企業と比べて従業員数が少ない中小企業においては、一人ひとりのパフォーマンスが業績に与える影響度が大きく、より人材育成の重要度が高くなってくる。

ただそれよりも、社員はこのような超売り手市場の時代にわが社を選び、人生の多くの時間を使って働いてくれている訳である。そのような社員を大切に育てるというのは、企業の務めと言えるのではないだろうか。

中小企業における人材育成の3つの課題

中小企業における人材育成の3つの課題

中小企業の人材育成のおける課題は大きく3つに集約される。
それは「時間」「ノウハウ」「予算」である。

時間やノウハウが無いというのは、人材育成が進んでいない理由としてよく挙げられるが、時間にゆとりがある企業などほとんどなく、人材育成のノウハウを初めから持っている人も基本的にはいない。そのような中で人材育成を進めていくには、何かしらの"仕組み„が必要となる。

また予算について、教育訓練費は人件費の1%が下限、2%が可能、3%が優良と言われるが、なかなか難しいのも実情である。しかしながら、助成金や補助金を活用すれば充分な支援が受けられるので、まずは調べることから始めてほしい。

教育を効率化・標準化する「社内アカデミー」の構築

教育を効率化・標準化する「社内アカデミー」の構築

人材育成の時間やノウハウがない場合でも、例えば業務マニュアルを整備すれば、教える時間を短縮できるだけでなく、誰が教えても同じように教えられるようになる。
ノウハウを動画にまとめることも有効である。直接教えなくても、動画を見てもらって分からないところだけを質問してもらうようにすれば、教育にかける時間が大きく削減される。また文字や言葉だけじゃ伝わらないような微妙な勘所も、動画にすることで確実に技術伝承できるようになる。

このような一連の教育の仕組みを体系的に整理し、社内アカデミーのようなものを構築すれば、時間やノウハウを言い訳にせず、仕組みで人財育成を行っていけるようになるのである。

人材育成がもたらす効果

人材育成がもたらす効果

人材育成は企業成長のために不可欠であると前述したが、具体的には、社員の定着率や、生産性、顧客満足度、採用成功率など、様々な指標が向上することが期待される。

特に人材育成をしっかりと行うことは、人材の採用・定着に非常に効果的である。
本来、採用・育成・活躍・定着は表裏一体のものであり、同時に強化していく(されていく)ものだからである。

昨今話題になっている「人的資本経営」の考え方にあるように、人材とはまさにコストではなく資本である。
人材に向き合い、人材と企業が共に成長していけるような関係をつくっていくこと。
それこそが、令和の時代の最も重要な経営テーマとも言えるのではないだろうか。

この課題を解決したコンサルタント

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
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