人事コラム
人事制度

戦略人事とは
~アフターコロナを勝ち抜くための人事戦略~

2022年以降、戦略人事を機能させる3つのポイント

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真に“機能”する戦略人事とは
~アフターコロナを勝ち抜くための人事戦略~

戦略人事を実践するうえでの足枷(弊害)

戦略人事を実践するうえでの足枷(弊害)

従来から戦略人事の重要性は問われ続けており、各社が強い問題意識を抱えているというのは明々白々である。
2020年度の人事白書(日本の人事部)の調べでは会員企業の約9割は戦略人事の必要性を実感しているものの、約7割の企業が最適に実践へと移すことが出来ていない状態と回答している。これは、筆者のコンサルティング現場においても同様の感覚であり、明確に実践するうえでの足枷(弊害)があると言い切れる。
ここで言う足枷とは大きく3点であり、①経営陣のマインドセット、②組織カルチャー、③人事部のパートナーシップにあると考える。一つ一つ具体的に見ていきたい。

戦略人事を機能させるための経営陣のマインドセット

戦略人事を機能させるための経営陣のマインドセット

戦略人事を機能させるうえで、何より重要になるのが、経営陣のマインドセット(意識の再醸成)である。
経営陣が組織における人事機能を従来のオペレーション人事(EX:労務管理・勤怠管理等)のみと捉えてしまうと、戦略人事はまったく機能しないと言い切れる。勿論、オペレーション人事は重要な人事施策であるが、左記に加えて、経営ビジョンを実現するための人事施策(EX:ビジョンと連動した組織の再構築、ビジョンと連動した人事制度の再構築等)を考えていくことの重要性を改めてマインドセットしていく必要があると言える。
昨今では、人事部門よりCHRO「Chief Human Resource Officer」最高人事責任者の存在が市民権を得ており、自社の経営戦略を考えるうえで、重要な役割を担っているケースも多い。
経営陣としては、戦略的機能を保有した人事部(or CHRO)の進言に真摯に耳を傾けられる存在でありたい。

戦略人事を機能させるための経営陣のマインドセット

戦略人事を機能させるための組織カルチャー

戦略人事を機能させるための組織カルチャー

戦略人事を機能させるうえで、次に重要になるのが組織カルチャーである。
皆様の組織において人事部とはどのような存在か。社員の要望を引き受ける御用聞き部門、慣習的に採用活動をしている部門、単に給与計算や労務管理をしている部門という印象は無いだろうか。
コロナ禍において各企業は、即断即決型のフレキシブルな意思決定モデルを組織に根付かせていく必要があると言える。
組織カルチャー(文化)は一日にして成らず!である。現場で起きている重要な事実(市場動向や顧客動向、社内における解決すべき課題等)が中動的(※)に集まるカルチャーが必要であると言える。
※中動的とは、ごく自然と動いていく様を指す。

戦略人事を機能させるための人事部のパートナーシップ

戦略人事を機能させるための人事部のパートナーシップ

戦略人事を機能させるうえで、重要になる最後のテーマが人事部のパートナーシップである。
皆様の組織の人事部は経営層に進言できるパートナーシップがあるだろうか。フォローでもサポートでもなく、パートナーシップである。
組織は戦略に従うことを大前提にしながらも、戦略そのものは組織の重要な声として経営陣に吸い上げる機会を生み出すことが出来ているだろうか。単なる"言いなり"人事になっていないだろうか。
戦略的機能を持った人事部が時にHRBP「Human Resource Business Partner」と言われる所以がここにあると考える。
大切なことは、各社のビジョンや方針を実現するために、人事部がどう一歩踏み出して機能するかである。
これら大きく3点はどれが欠けても成立しない要件であるため、一つ一つ丁寧に推進いただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

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