人事コラム
人事PMI

人事PMI成功のポイント

企業統合後のHR(組織・人事)シナジー最大化を実現するために各社が取り組むべきこと

SCROLL

人事PMI成功のために人事DD(人事における現状認識)から取り組む

人事PMIに取り組むべき背景と人事PMIに期待できる効果

人事PMIに取り組むべき背景と人事PMIに期待できる効果

ポストパンデミック長引く日本国内において、2025年までに70歳を超える中小企業経営者が約245万人(中小企業庁より)に上ることを踏まえた事業承継を課題としたM&Aや国内マーケットの縮小に伴い、国外に販路を見出すクロスボーダーM&A(国境を越えて行うM&A)は今後も加速していくことが予想され、M&A後に待ち受けるPMIはますます重要な位置づけになっている。
PMIとは、Post Merger Integrationの略であり、企業の合併・買収による企業や事業の取得取引の成立後に行われる、統合のプロセス指す。その中でも人事PMIとは、組織戦略や人事戦略などの各種人事施策に対する統合を指し、グループ企業や事業会社の組織や人事を最適に機能させるための手段として重要な役割を果たす。こと人事PMIはにおいて、期待できる効果としては、①ディスシナジー(マイナス効果)の抑制、②リハビリテーション(健全な機能発揮)、③シナジー最大化(化学反応)が挙げられる。これらを実現していく、最初のステップとして、人事DD(人事における現状認識)が何より重要となる。本コラムでは、人事DD(人事における現状認識)に絞ってご紹介していきたい。

タナベ経営が考える人事DD(人事における現状認識)の重要着眼

タナベ経営が考える人事DD(人事における現状認識)の重要着眼

人事DDとは人事デューデリジェンスの略であり、
人事戦略・組織戦略や人事制度などの人事全般に関する調査・分析を通して、その後の人事PMI(人事統合)を行ううえで重要となるポイントを洗い出すメソッドを指す。あらゆる角度から人事を網羅的に掴むことで、最適な人事PMI実現に繋がると言える。以下は、タナベ経営のHRコンサルタントが、アプローチする人事DDの領域についてである。
※人事DDの領域を一部抜粋


■ベーシック(基本的な人事統合テーマ)
1.人事戦略・・・人事ビジョンや人材育成コンセプトおよびビジョンと連動した要員計画について
2.組織戦略・・・人事機能・教育機能(人事部機能含む)から人材ポートフォリオやコミュニケーション体系について
3.人事制度・・・キャリアパス、評価制度、賃金制度、退職金関連やシニア活躍について
4.労務制度・・・労働条件や各種規程について
5.ガバナンス・・・役員会の機能発揮や意思決定モデルおよび決裁権限(エンパワーメント)について


これらは最低限、現状を押さえるべき切り口であり、余力があれば以下についてもお取り組みいただきたい。


■アドバンス(応用的な人事統合テーマ)
1.教育制度・・・教育体系(OJT・OFFJT)や学習環境について
2.人事システム・・・基幹システム・労務システムからトータル人事システム(EX:タレントマネジメント)について
3.採用戦略・・・採用コンセプト・採用チャネルや採用手法に始まる各種採用施策について
4.風土・文化・・・心理的安全性やトータルリワード、独自で育まれている価値観について


これらベーシック・アドバンスの切り口にて、例えば4社の事業会社から成るグループ企業においては、各社の現状をまずは正しく認識したうえで、統合コンセプトおよび統合におけるプライオリティ(優先順位付け)を明確にしていくことが何より重要である。その際、各社が歩んできたこれまでの歴史的変遷や組織としての発達段階や独自文化が当然に違うということを肝に銘じて、意思決定頂くことが大切である。
※ここでいう組織の発達段階とはフレデリックラルー氏の著書ティール組織に記載のあるレッド組織・アンバー組織・オレンジ組織・グリーン組織・ティール組織を指す。

この課題を解決したコンサルタント

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。
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