人事コラム
人材採用

インターンシップを通じた学生との接点づくりのポイント
~効果的なインターンの集客方法とは~

2023年、新たなインターンシップが開始。インターンシップによる差別化が勝負を分ける。

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「自社の強み」と「学生のニーズ」のマッチングが成功の鍵を握る

インターンシップの4つのタイプ

2023年よりインターンシップの定義が変更となった。
インターンシップを採用活動に直結できるようになり、インターンシップの実施の有無や重要性は今後ますます高まるだろう。
前提として、2022年まで行われていたインターンシップは以下の4つの類型に分けられる。

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図1

出所:タナベコンサルティングにて作成


4つの類型はそれぞれ実施内容やメリットが異なるため、実施にあたっては自社におけるインターンシップの目的を明確にしたうえで適切な類型を選択していただきたい。
例えば、採用活動に対して多くの工数を割くことはできないが、自社の知名度向上に加えて学生に対して有益な情報提供をして惹き付けたい場合はタイプ2、より専門性の高い就業体験を提供し採用活動に活用するとともに事業にもプラス効果をもたらすことを狙う場合はタイプ4を選択するといいだろう。本コラムでは、企業側の視点に立ち、インターンシップにおける学生との接点づくりのポイントを中心に解説をする。採用活動において優位に立ち回り、優秀な人材確保に向けたヒントにしていただきたい。

インターンシップの学生集客ポイント

インターンシップを開催するにあたって一つの壁になるのが、学生集客である。
集客するにあたり、次の4点を意識していただきたい。

 

1.学生の求めていることを理解すること
学生が何を目的としてインターンシップに参加しているのかを理解することで、学生のニーズに合ったプログラムを組み立てることができる。参加理由は様々であり、「スキルアップ」「自己分析」「キャリア形成」「単位取得」「就職活動を有利にする」「業務理解」などが挙げられる。インターンシップを開催する時期によっても参加理由は異なるため、時期にあったアプローチが必要となる。

2.学生のターゲット像を明確にすること
学生認知度が低い中小企業ほど、ポイントを絞ったターゲット設定をすることが望ましい。大勢に浅く響かせるよりも、少数に深く響かせることを狙うのがポイントだ。学生のニーズに合致すればするほど参加意欲が高まるため、知名度の差を覆すことができる。
例としては、「向上心が高く経営者と関わりたい文系学生」「実務に携わり問題解決に寄与したい理系学生」などが挙げられる。

3.参加した学生に高い満足度を提供すること
設定したターゲット像が満足する内容を目指しプログラムを構築していく。
また、実施内容を工夫し差別化することで、高い集客力に繋がる。
自社特有の技術やアピールポイントがない場合でも、「社長の右腕体験」「技術者への弟子入り」「会社の問題解決ワーク」「新商品開発選手権」など、タイトルで興味を惹くような内容であればより集客力が高まる。

4.インターンシップ等の実施を告知すること
良いプログラムを用意しても、学生に知ってもらわなければ意味がない。
具体的な手段は後述するが、複数の手段を用いて告知をしていくことが望ましい。

企業と学生との接点づくりのポイント

インターンシップが採用活動に活用できるようになることで、採用活動の早期化が予想される。
そのような中で採用競争に勝つためには、学生との接点づくりは欠かせない。

学生と接点をつくるにあたり外せないポイントとして、アプローチのタイミングを意識していただきたい。
長期休み、テスト期間など、学生は忙しさに波がある。よって、時期により戦略を変えていくことが必要になる。
当然の事ではあるが、社会人と学生との時間軸が異なるため、ついつい忘れがちになってしまうため注意していただきたい。

例)
・夏休み:長期インターン実施が可能。平日・休日問わず実施が可能。
・冬休み:長期インターン実施が可能。年末年始周辺でUターン学生を狙える。
・テスト期間:参加可能な学生が少ない。

また、インターンシップ等でアプローチした後も継続的に学生と接点を持つことが望ましい。
キャリア相談に乗る、社内報を送る、座談会の実施など、継続的な働きかけと情報提供が意識の醸成に繋がる。

効果的な集客方法

ポイントを押さえた上で、実際に集客を行う際の方法を検討いただきたい。
集客方法には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なる。
自社の予算、マンパワーにより適している手段は変わってくる。また、複数手段を用いることで、より集客力を上げることが期待できる。

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図2

出所:タナベコンサルティングにて作成

効果的な学生集客を実現した企業事例

最後に中小企業でインターンシップを活用している例を紹介する。
ぜひ参考にしていただきたい。

【A社の事例】従業員規模:50名以下、業種:製造業(BtoB、BtoC)
売上は年々減少しているものの、ニッチな製品を製造している企業である。
製品の特異性を強みに、地域イベントとのタイアップや製造体験を実施することで地域知名度の向上に成功している。
自社ブラントと地域知名度を活かし、地元の学生をターゲットに毎年インターン生を受け入れを続けている。
数年後には同時に4名を受け入れ、業務の仕組みづくりや新企画の立ち上げをするなど、インターン生を一戦力として活用しており、人が人を呼ぶインターンシップを実践し、好循環を生み出している。

まずは自社の強みを洗い出し、強みが最大限アピールできるインターンシップを実施していただきたい。
本コラムが学生との接点づくりの一助となれば幸いである。

この課題を解決したコンサルタント

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