人事コラム
エンゲージメント

エンゲージメントの基本理解と施策事例の紹介

エンゲージメントが注目される背景、向上させるための施策について解説する

SCROLL

本質的な改善に繋げるために、まずはエンゲージメントサーベイを通じて、
現状課題から把握していただく事を推奨する

はじめに

昨今、組織や人事の世界ではエンゲージメントという言葉が頻繁に使われている。
しかし、その意味や重要性を正確に理解している人は少ないのが現状である。当コラムでは、「エンゲージメント」とは一体何か、なぜそれが重要なのか、そして、向上させるための進め方について解説する。

エンゲージメントの基本理解、注目される背景

エンゲージメントの基本理解、注目される背景

エンゲージメントとは、「組織と個人の繋がりの中で育まれる自発的な関係性」を指し、一般的には社員の会社に対する愛着心や思い入れを指す言葉である。
似た概念として、「従業員満足度」があるが、従業員満足度は、仕事内容や職場、上司、会社などについて「満足しているか」を測る指標であるのに対し、エンゲージメントは会社に対して「自発的に貢献する意欲」を意味する点に違いがある。


注目を浴びる背景として、我が国における働く価値観が時代と共に変化している事が考えられる。
終身雇用を前提にした旧来型の日本的組織システムでは、企業が長期的・安定した雇用を提供する代わり、社員は企業に忠誠を誓う側面があった。これからも変わらず会社が成長することを前提とした高度経済成長期においては日本的組織システムは機能していた。この時代は、組織と個人の関係は密接に繋がっており、社員の会社に対する愛着心や思い入れは当然のように高いと思われていた。しかし、1990年代以降、失われた30年と言われる時代を迎え、急速なテクノロジーの発展やグローバル化の進展、価値観の多様化により、働く価値観が急速にアップデートされたのである。結果的に組織と個人の関係性が時代に合わせて変化し、社員の愛着や貢献意欲を指すエンゲージメントに注目が集まるようになった。

エンゲージメントを高める施策の一例

エンゲージメントを高める施策の一例

エンゲージメントスコアが高い企業は、往々にして売上/利益の伸びが大きくなる傾向がある。
エンゲージメント向上に取り組むことが、社員の満足度やモチベーションにいい影響を及ぼし、パフォーマンスアップに結び付くことや、離職率が低下し、優秀な人材の確保と競争力の強化に繋がる事が要因であると考えられる。
では、エンゲージメントを向上させるためには、どのようなことが有効なのか。
社員のエンゲージメントを高めるための施策の一例を下記に示す。


①エンパワーメント

社員それぞれが本来持っている力を発揮し、自らの意思で自発的に行動できるようサポートすることで、エンゲージメントを高めることができる。これをエンパワーメントという。
エンパワーメントを端的に表現すると「自律人材開発」の意味を持ち、主に「能力開花」とそれを後押しする「権限委譲」から成り立つ。
能力開花においては社員本人が明確に「できる」と自信を持てる環境づくりや動機付けが重要である。
権限委譲は文字通り、権限を付与し、自分の力で成し遂げることができる環境をづくりを行い自信を持たせることがポイントとなる。


②会社の理念やミッションの共有

会社の理念やミッションを浸透させることで、社員と企業の価値判断基準が統一され、エンゲージメントやパフォーマンスの向上へと繋がる。そのため、企業は社員が理解しやすいよう、理念やビジョンを明確にすることが大事である。具体的には、社内イントラ、勉強会を通じて経営陣が発信することや、ビジョンブック、クレドの配布といった方法が挙げられる。

エンゲージメントの測定方法

エンゲージメントの測定方法

前章で紹介するエンゲージメントの向上施策に取り組む前に、本質的な課題を抽出し、根本的な改善に繋げるためにもエンゲージメントの現状を把握する必要がある。一般的にはエンゲージメントの測定方法として、エンゲージメントサーベイを活用するケースが多い。タナベコンサルティングにおいても「Engagement KARTE(エンゲージメントカルテ・エンゲージメントサーベイ)」を提供しており。組織・仕事エンゲージメントから企業カルチャーまで人事領域全体をカバーしたフレームとなっている。このサーベイは四半期を目安とした比較的短いスパンでの実施を推奨しており、定期的に組織状態を把握し改善を繰り返すことで、エンゲージメント向上に繋げていく事が必要である。

さいごに

本コラムにてご紹介したエンゲージメント向上施策はあくまでも一例であるが、重要なことは自社の文化に合うものや課題を押さえた施策を検討していただきたい。
そのためにもまずはエンゲージメントサーベイを通じて、現状課題から把握していただく事を推奨する。

注目を集めるエンゲージメント。エンゲージメントに向き合う必要性は?エンゲージメント向上の着眼点
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エンゲージメントに向き合う必要性は?
エンゲージメント向上の着眼点
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