人事課題解決ノウハウ

働く意欲を誘発するモチベーションマネジメント

モチベーションマネジメントを通して組織力を高める

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モチベーションはコントロール可能なマネジメント技術である!

モチベーションのメカニズムを知る①

モチベーションのメカニズムを知る①

人のモチベーション(やる気の波)というのは、誰しも上がりもすれば下がりもする。 これはすべての人に恒常性(ホメオスタシス)が備わっていることが作用している。 例えば、暑い日には汗をかき、寒い時には毛細血管が自動で縮小する。 これらを俗に自律神経(言葉の通り自律している神経)というが、我々は無自覚に自身の生命活動を維持するために、快適な領域で留まる性質がある生き物である。このことを前提として考察していきたい。

皆様は自己啓発セミナーに参加して気持ちが高まったり、上質な書籍と出会い気持ちが感化されたり、 尊敬する方からのアドバイスを受けて、気持ちが引き締まったり、このような感覚を味わったことが一度や二度は あるかもしれない。にも関わらず、翌日目が覚めたら、"なんちゃらほい。"と、感化されたり、気持ちが引き締まる前の自分に戻ってしまった経験はないだろうか。これがまさに恒常性(ホメオスタシス)の作用である。

瞬間的に高ぶる気持ちはモチベーションUPではなく、テンションUPである。繰り返しになるが、人というのは、 これまでの自分が心地よいと感じた状態へ自然と戻っていく性質が備わっているのである。 このことを無下にして、"なんて自分は情けないんだ。"、"あの部下はやる気がない。"と嘆くのはナンセンスである。 これがモチベーションと向き合う第一歩である。次項からは更に掘り下げていきたい。

モチベーションのメカニズムを知る②

モチベーションというのは、気まぐれで、個性的で、人に伝染する大変厄介な生き物(ここではあえて生き物と表現している)である。ここだけにフォーカスすると非常に面倒な存在である。気まぐれであるからこそ、どんな時に自分がモチベーションが上下するのか、固有のモチベータ要因(モチベーションが高まる要因)はなんなのか、人への影響力がどれほどあるのか、このあたりを考えて向き合っていくことが大切であると言える。

また、神戸大学名誉教授の金井壽宏先生より筆者が教わったことであるが、モチベーションとキャリアとリーダーシップは密接に連関しているという考え方も押さえて頂きたい。図表1は、階層別(キャリア別)でモチベーションとリーダーシップがどのように相互に影響を与えているのかを示した図である。

【図表1】 モチベーションのメカニズムを知る②

当然と言えば当然であるが、新入社員は仕事を覚えるだけでもモチベーションが高まるケースは多い。一方で経営者であれば、自身が仕事を覚えるという側面よりも、会社の成長や社員の幸せや社会貢献のような側面でモチベーションが高まるケースが多いと考えられる。加えたキャリアが上がれば上がるので、リーダーシップ(組織への影響度)は非常に高いという訳である。

これを機にキャリア別でモチベーションが高まる動機がどこにあるのかを掘り下げてみてはどうだろうか。

組織で考えるモチベーション

組織で考えるモチベーション

本稿では、組織としてモチベーションを高める施策を実践した事例についてご紹介したい。

■ポジティブストローク

大阪に本社を構えるA社では、組織カルチャーを強固にする取り組みの一貫として、"ポジティブストローク"という考え方を言語化し、組織として大切に育んでいる。これは、トラブルや課題も、難易度の高い仕事も、その瞬間にネガティブな ワードを吐き出してしまうと、自分自身にも周りに対しても悪い影響を与え、組織としてモチベーションを下げてしまい兼ねないため、"出来ない理由ではなく、出来る理由を考えよう。"という発想から生まれた施策である。この施策はMBO-Sや評価制度とも連動しており、制度と文化を同時に育む環境が整っている好事例である。

■モチベータ要因把握

大阪に本社を構えるB社では、社員それぞれのモチベータ要因をお互いに把握しあう活動を積極展開している。 切り口としては、外発的なモチベータ要因と内発的なモチベータ要因に分けて把握し合っている。 外発的なモチベータ要因でいえば、①プライベートの充実度や②人間関係、③職場環境や④ツールの整備、⑤期待や信頼などが挙げられる。内発的なモチベータ要因でいえば、①仕事のコントロール(裁量)、②タスク遂行、③変化への挑戦、④自己表現、⑤適職などが挙げられる。お互いがお互いのモチベータ要因を把握していることで、適材適所な役割分担や長所を前提としたマネジメントが容易に実践できる環境を生み出すことに成功している。

その他にも組織としてモチベーションと向き合っていく施策は多数存在する。
皆様の会社では組織としてモチベーションを高めていく施策が整っているだろうか。今一度お考えいただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

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タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
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