人事課題解決ノウハウ

社員(従業員)エンゲージメントを高めた企業の成功事例を紹介

社員(従業員)エンゲージメントを高め、企業成長した事例の紹介

SCROLL

企業経営の根幹となる考え方を社員に伝え、参画意識を持たせることが重要である

エンゲージメントとは

エンゲージメントとは

はじめに、社員エンゲージメントとは何か、そして、なぜ今、社員エンゲージメントの向上が求められているかをお伝えしたい。


人事領域におけるエンゲージメントとは「社員の会社に対する愛着心や思い入れ」のことを指す。企業経営においてエンゲージメントは重要な要素であり、これが高い企業は人材が育つ企業であるといえる。また、企業が示す経営理念やパーパス、戦略といった企業の向かう方向性に共感した社員は貢献意欲が高く、顧客に高品質な製品・サービスを提供する。すると顧客から満足や感謝を得ることができ、さらに貢献意欲を高めていくという好循環が生まれる。


エンゲージメントの高い企業体質や組織風土を醸成することが、企業業績の向上や優秀な社員の定着・育成にもつながるのである。


本稿では、社員エンゲージメントを高めた事例とそのポイントを見ていく。

事例① 運送業A社

事例① 運送業A社


(1)創業者の考えを伝える「経営方針書」の浸透研修
同社には、創業者の経験を踏まえて、運送業としてのあるべき姿であったり、顧客満足度の重要性とその実現に必要なことが記載された「経営方針書」がある。確かに、少なくない企業で、「行動基準書」や「クレド」などの形も含めて、このようなものはあると思うが、同社は、この経営方針書の浸透のために、経営者・役員が中心となって、全国の各拠点を回り、研修を実施している。その結果、同社の「イズム」への納得と理解が深まり、エンゲージメントの向上に繋がっていると考えられる。


(2)女性が活躍できる働きやすい環境づくり
同社は、働きやすい環境づくりにも注力しており、特に女性活躍の面で様々な試みを行っている。「女性活躍推進法に基づく行動計画」を策定し、出産、子育てをしながら働き続けられるような環境づくりをしている。例えば、『企業主導型保育園』と提携し、社員が、多様な就労形態であっても保育サービスを受けられるようにしている。


以上のように、創業者の理念浸透によって働きがいを醸成するとともに、女性活躍環境づくりのように働きやすさを醸成し、エンゲージメントを高めて行っているのが、同社の特徴である。

事例② 販売業B社

事例② 販売業B社

B社は、社員数約200名の自動車部品販売企業である。同社は、定期的にアンケート方式で、組織サーベイを行っており、企業全体のエンゲージメントは低くないものの、直近で20代~30代の若手社員のエンゲージメントが低いことに課題を持っている。本稿では、その課題解決の取り組みの一部を紹介する。


同社の若手社員のエンゲージメントが低い要因を分析した際、若手社員が組織へ関与できる機会が少ないことが要因として挙がってきた。これまでの同社は、経営や事業に直接関われるポストが多くあり、20代や30代の若手社員であっても、積極的に登用されることも多く、その結果、若手社員がやりがいを持って働くことができた。一方、現在、会社組織は、成熟期にあり、多くのポストは、経験豊富なベテラン社員によって埋められ、若手社員が、経営や事業へ関与できる場面が少なくなったのである。


このような課題に対して、同社が実施したのは、若手を中心とした「ミッション・ビジョン・バリュー浸透プロジェクト」という組織風土改革プロジェクトの推進である。若手社員の中から自己推薦でプロジェクトメンバーを集い、そのメンバーで、同社の掲げているミッション・ビジョン・バリュー実現のために必要なアクションプランの策定やその実践をしている。その中では、若手社員メンバーが、後輩教育の必要性を訴え、今後、育成プログラムを作っていこうというような前向きなアクションプランが出てきており、若手社員の組織に対するエンゲージメントが高まってきていることが分かる。


以上のように、若手社員の組織関与の機会を与え、エンゲージメントを高めて行っているのが、同社の特徴である。

さいごに

以上の2社より見られたエンゲージメントを高めるポイントを整理する。


(1)企業の根幹となる考え方を浸透させる
A社であれば「経営方針書」、B社であれば「ミッション・ビジョン・バリュー」といったものがあった。このように企業経営に対する根幹の考え方があり、それが社員の道しるべとなることで、社員の納得と理解が生まれ、エンゲージメントが高まっていくのである。


(2)社員に自ら考え、参画する意識を持たせる
A社であれば研修会、B社であればプロジェクトといったもので、社員に自ら考え、参画する機会がつくられていた。前述した企業の根幹となる考え方があっても、社員の納得や理解、そして実践が無ければ、絵に書いた餅であり、エンゲージメントは高まり切らない。社員が積極的に関わる機会を設けることより、エンゲージメントの向上に影響するのである。


以上が、エンゲージメントの向上事例とそのポイントである。
本稿が、皆様の企業経営の一助となれば幸いである。

注目を集めるエンゲージメント。エンゲージメントに向き合う必要性は?エンゲージメント向上の着眼点
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