人事課題解決ノウハウ

わが社における頑張る方向性と頑張り方の基準を示す

~人事KPIを機能させる考え方と行動とは何か~

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人事KPIは『どこに向かって、何をどれだけ頑張ればよいのか』を示す、経営者からのメッセージ

根強く残る、『頑張り方が分かりません』の声

根強く残る、『頑張り方が分かりません』の声

「努力は報われるのか?」「聞いていません」「教えてもらっていません」「私がですか?」「今からですか?」等の質問が、まず返ってくるとのお悩みを頻繁に伺う。この種の質問は文字だけを見ると、ある種の抵抗感から来ている様にも見えますが、その実は文字通りの意味合いであることが多い。この類の質問に対して、「昔は自分から聞きに行ったものだ」「自分から調べて作成したものだ」「仕事は盗んで覚えるべきものだ」と突っぱねてしまうと、建設的な会話と回答にならない。残念ながらこの類の会話に出口はない。双方の言い分で折り合いがつかないからだ。

自身の成長ストーリーは振り返って確認するものではない、という現実

「もっと自分で考えて仕事してほしい」「受け身ではなく、当事者意識を持って取り組んでほしい」といった主体性に関する相談を頻繁に受ける。それほど「指示さえだされれば"その範囲で"一生懸命推進します」という人材が増えてきていることが現実だと言える。主体性に関する課題は、普遍的に存在する課題と言える。若手社員だった頃は、少なからず一度は、上司と先輩に「もっと考えて仕事しろ」「当事者意識を持て」と言われて育っている。違う角度から診ると、この様に育ってくださいと、先に成長ストーリーをメッセージとして発信すれば、関心を持って見られるものである。現在は成長に関しては、段取りと効率的で考えるという価値観になっている。そのような意味では、後から振り返るものではなく、複数パターンの成長ステップを並べて比較して、最も合理的なものに取り組んでいく気概だと言える。これは、何も若手社員には留まらない。

成長ストーリーを人事KPIへ展開する:①行動

成長ストーリーを人事KPIへ展開する:①行動

社員は経験、助言とフィードバック、トレーニングから学び成長して行くと言われている。その比率はおおよそ7:2:1だ。したがって経験を積む場、その経験に基づき助言とフィードバックを得られる場を育成時間の7割に設計することが、この原則と合致する。企業における研修などで1つの基準にして頂くと良いと考えられる。経験を積むと自信につながり、できることがどんどん増え、「仕事上の経験が学びの7割を占めている」ことにつながる。経験を真の学びに変換させるのが助言とアドバイスであり、フィードバックと言われているものだ。このフィードバックに触れる機会も設計したい。上司、先輩との関わりに、研修による気づきなどが加わることで、経験の質が高まり、個人の能力開発につながっていく。

成長ストーリーを人事KPIへ展開する:②質

成長ストーリーを人事KPIへ展開する:②質

行動と量を設計し運用に入ることが最重である。次に必要なことはその質を上げて行くことである。研修を実施する、研修に参加するという「事実をつくる」ことで止まってはならない。社員が欲しているのは成長ストーリーであり、成長しているという実感である。ここに一部ではあるが、育成に関する人事KPIの事例を紹介する。スキル保有人材数・増加率・増加数、必要資格取得件数・増加率・増加数、スキル・資格・素養 対 業務成果相関度、重点教育研修テーマの研修時間、重点育成人材に対する1人当たり教育投資額、教育研修プログラムについての受講者満足度、教育研修プログラムの受講比率、人材育成に関するコミュニケーション時間・回数、人材育成に関する従業員満足度 等。それぞれの企業で状況と成長ステージがあるので、設計には現状を押さえ、将来を視野に入れたディスカッションが必要である。成長テーマだけではなく、いつまでに、どの様に、可能であれば難易度も示すことができるとよりメッセージとしては伝わりやすいと言える。またこれらのKPIは、ミッション、ビジョンと同時に見直していくことが理想である。ぜひ、社員とわが社への入社を希望する方々へメッセージとして"質問される前に"示していただき、お伝えいただきたい。

この課題を解決したコンサルタント

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