人事課題解決ノウハウ

人材育成の見直し方

~自社の育成システムを総点検し、新たな方向性を導くタナベ式教育ドックとは何か~

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理念・ビジョンから人材育成に至るまで、一貫性を持たせる

なぜ、人材育成を見直す必要があるのか

なぜ、人材育成を見直す必要があるのか

企業を取り巻く経営環境は依然として、先行き不透明であり、今後の市場環境が読みにくい時代であるからこそ、 経営理念・フィロソフィ―に基づくミッションの再定義やビジョン・戦略を再構築される企業が増えています。

また、上場企業においてはコーポレートガバナンスコードやサステナビリティ報告書等への非財務情報(人的資本の可視化等)の記載も広まりつつあり、ますます人を基軸にした経営へと移行が進んでいます。このような状況下、ミッション・ビジョンや人材に対する考え方が変わるのですから、各社とも人事戦略を大きく見直しを図る傾向にあります。

例えば、中堅企業のコンサル実務を通じて、よく出てくるテーマは、DX推進に伴うIT人材やデザイン経営移行に伴うデザイナー等のミドルオフィス系の充実化や採用難や高齢者活躍を主眼に置いたシルバー人材のキャリア設計など、これを踏まえた人材ビジョンの再定義からポートフォリオの再設計、評価・賃金の見直しなどがこれに当たります。

しかし、これら人事戦略から評価・賃金制度を時流に沿って変えても、私の実務経験上、残念ながら人材育成の中身 そのものを変えずにいる企業がほとんどである。なぜならば、すでに階層別・職種別・テーマ別に前例にならって研修を 実施している、OJTで現場で取り組んでいるからさほど変える必要性を感じていないことが起因として考えられます。

前述の記載とおり、ミッション・ビジョンが変われば求められる役割や必要とする知識、スキル、価値観も変化するため、左記に対応した人材育成の仕組みを同時に再構築しなければならない。

総点検を実現するタナベ式教育ドックとは

では、人材育成の仕組みを再構築する上で、何から着手していけばよいか解説していきます。 まずは、人材育成に繋がる経営理念・ミッション・ビジョンといった理念体系から、人材育成における運用・ ツールに至るまで、客観的に自社の現状を把握し、問題点・課題を整理することからはじめます。 切り口は以下の通りです。

(1)教育マネジメントシステム診断

人材体系分析(人材のバックボーンシステム)
経営理念・ミッション・ビジョンから教育施策に至るまで、 一貫性を確認。また、人材育成に対するビジョンや育成コンセプトに至るまでの方針も同時に確認。
人材ポートフォリオ分析
戦略推進上、必要とするリーダー・プロフェッショナル人材を確認。
エンゲージメントサーベイ
エンゲージメントを定期的に計測し、目指す指標とのギャップをどのように解決・実現するのかを確認。

(2)教育構造診断

教育体系分析
OJT・OFFJTの実態調査を行い、目的共有、指導内容の標準化、指導者の任命基準等、 整備状況を確認する。また、研修プログラムの内容、概要に至るまでの組み立て状況をあわせて確認。
資格・スキル取得分析
資格取得やスキルマップ・力量評価の傾向値を把握し、自社の課題を確認。

(3)教育運用体制診断

組織・人材分析
階層・職種別の人材構成や人的生産性指標から見える自社の課題を確認。
人事制度分析
評価・昇格制度と育成システムとの連動性を確認。
コミュニケーションパイプ分析
現状の会議形態と育成システムとの連動性を確認。
研修活用分析
ツールや人材育成フロー、効果測定の仕組み等の活用に関わる仕組みについて確認
教育予算分析
人材育成投資額を傾向値や業界・同業平均と比べ実態を確認。

上記内容を切り口として、 貴社の資料の分析や主要経営幹部・現場メンバーへヒアリングをしながら、自社の実態を明確にしていきます。

教育ドックにより改善すべき課題と処方箋を示す

タナベ式教育ドックにおいては、調査・分析を踏まえ、課題を明確化するだけではございません。 その会社の人材育成上の課題に加え、業界特性や事業モデル、組織風土に合わせた処方箋(改善具体策)まで 示すのが特徴です。処方箋の主な切り口は、「誰に(重点とする階層・職種)」「何を(成長テーマ)」 「どのように(リアル・WEB等)」によって、具体的に示します。

「誰に」
主に組織・人材構成から見た課題を踏まえ、明示。例えば、高齢化傾向にある組織であれば、「高齢者の活躍」「中堅層のステージアップ」。平均年齢の若い組織であれば、「新人・若手人材の早期戦力化」となります。
「何を」
業種業態や規模によって、習得させる知識・スキルは変わってくるが、一般的には階層別に求められる 役割・責務を遂行させる力と職種別に求められる業務遂行力の大きな2軸になります。しかし、直近でよく見かけるテーマとして、エンゲージメントを高めるための理念・ミッション・ビジョンの浸透であったり、未来の戦略を踏まえたDXなどのリスキリングの機会などが増えています。
「どのように」
コロナ感染拡大時は、オンライン・オンデマンドへ習得方法を切り替える企業を多く見受けられます。一方、そこに対する課題もあり、いかに自社の事業モデルや風土に合った習得方法にしていくか、リアルとデジタルの双方を活用した習得方法を更に研究していく必要がございます。

上記、方向性を示し、経営者・人材育成責任者とともに、自社の人材育成体系を再設計し、具体的に施策への落とし込み に繋げていくわけです。

教育ドックの特徴

あらためて、タナベ式教育ドックでは、様々な業種業態・規模の豊富なコンサルティング実績を基に、コンサルタントが短期プロジェクトを組成して、貴社の教育の現状を多角的に分析し、より迅速に、より高い効果を得るための「教育制度の課題と処方箋(改善の方向性)」を明確化します。主な特徴は2つあります。
(1)客観的に教育の現状(事実)を正しく把握し、人材育成基盤の構築状況を分析する
(2)経営視点・戦略的視点で『教育システムの最適化』へ改善への方向性を示す

依然として先行き不透明な経営環境であるからこそ、内部資源である人的資本の見直しのキッカケに、 現状把握に努めていただき、その一助にタナベ式教育ドックをぜひ、ご活用ください。

この課題を解決したコンサルタント

ABOUT TANABE CONSULTINGタナベコンサルティンググループとは

タナベコンサルティンググループは「日本には企業を救う仕事が必要だ」という志を掲げた1957年の創業以来
66年間で大企業から中堅企業まで約200業種、17,000社以上に経営コンサルティングを実施してまいりました。
企業を救い、元気にする。私たちが皆さまに提供する価値と貫き通す流儀をお伝えします。

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