人事課題解決ノウハウ

DX時代を生き抜くリスキリングとは

~時代の変化に対応した企業の人材育成戦略を立案しましょう~

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時代に合った価値を生み出す組織となるために、
全社でリスキリングに取り組もう!

リスキリングとは

リスキリングとは

近年、「リスキリング」という言葉は多くメディアに取り上げられ、人材育成担当者だけではなく、多くのビジネスパーソンに認知されつつあり、日本の企業においても、これに関する取り組みが普及してきている。 「リスキリング」という言葉が世界に広がったきっかけは、2018年の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で、リスキリングに取り組む必要性が訴えられたことだと言われている。
ここで、「リスキリング」とは何かを確認するとともに、よく似た言葉である「リカレント」との性質の違いを確認していただきたい。

リスキリング:
新たな時代に必要な能力の再開発であり、今後新たに発生する業種・職種・領域に順応するための知識やスキルを習得すること

リカレント:
職業人生が長期化する中で、労働者のキャリアパスを再構築するために、労働者自身が自律的・主体的に学び・学び直しを行い、新たな知識やスキルを習得すること

この2つの最大の違いは、「リカレント」は個人(社員)主導型の啓発による能力向上の施策であることに対し、「リスキリング」は企業主導型で経営戦略に沿って計画的に実施していく施策であるということである。

つまり、リスキリングは単なる社員の能力向上を目的とするのではなく、未来へと永続的に企業が存続していくための、経営戦略の一貫の元、実施されるべき施策であることをしっかりと理解しておかなければならい。

リスキリングがDX時代に必要である理由

リスキリングがDX時代に必要である理由

では、なぜ今、その必要性を感じ、取り組みを始める企業が多いのか。 それは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って、半ば強制的にDX時代へ突入したことが関係している。

前段でも述べたが、世界に「リスキリング」という言葉が広がったきっかけはダボス会議である。しかし、その必要性を多くの企業が理解したのは、間違いなくコロナ禍で各社が対応に迫られたデジタル化である。 例えば、オンライン会議・電子契約の導入、クラウドサービスによるペーパーレス化、RPAの導入などが挙げられる。 一気にデジタル化が広がった一方で、これらのシステムを運用する人材、またはデジタル技術を活用して新たなビジネスを創造する、推進するITリテラシーの高い人材確保が企業の優先課題に上がってきた。しかし、IT人材の獲得は年々競争激化しており、非常に困難な状況である。 ちなみにではあるが、国内でも関東に比べると関西の方がIT人材の獲得は困難であるとデータが示されている。関西企業においては、外部人材の獲得よりも、内部人材のIT人材の育成を何としても行わなければならない状況である。

今後も、多様な働き方の推進、業務の合理化に加え、労働人口減少問題などから、DXをさらに加速させていく企業は増えていくことは間違いない。 より加速していくDX化、仕事の在り方は今後も変化を続ける。ビジネスモデルや事業戦略も変化していくだろう。事実、2020年の世界経済フォーラムの年次総会では、「第4次産業革命により、数年で8,000万件の仕事が消失する一方で9,700万件の新たな仕事が生まれる」と宣言されている。 そして、社員一人ひとりの業務内容も変化する。このような変化に既存社員だけで迅速に対応するには、人材育成戦略として組織全体でリスキリングを推進していくことが不可欠だ。社内人材の能力再開発を行い、デジタル技術の力を用いて、価値創造できる社員を育成することが今まさに必要なのである。

企業がリスキリングを推進するためのポイント

企業がリスキリングを推進するためのポイント

リスキリングを推進していくための重要ポイントは以下の3点である。

ポイント1:経営ビジョン・経営戦略に応じた計画的な取り組みとして実施する

闇雲にデジタルに関する教育を実施するのではない。経営ビジョン・経営戦略に連動した取り組み内容が必要である。つまり、今後の事業展開に必要となる人材の定義や、スキルを明確にした上で、能力開発プログラムを考えなければならない。社員が新たに得たスキルが、実務で発揮できるように計画的に、戦略的に実施していかなければならない。 なお、我々の経験上、推奨するリスキリングの導入ステップは次の5ステップである。

1.目的の明確化:事業戦略に基づき「なぜ」取り組む必要があるのかを明確にする
2.現状の把握:必要となるスキルと現在の保有スキルを見える化する
3.プログラムの設計:必要なスキルを獲得するための学習プログラムを設計する
4.進捗の確認:学習の進捗状況を確認し、社員の理解度を確認する
5.実践機会の提供:学んだことを実践する機会をつくり、実践の中でさらにスキルを磨いていく

※学習プログラムは社内で実施するのではなく、社外の専門的な機関を活用し、本格的に学ぶことが望ましい。

ポイント2:担当者だけではなく、全社で取り組む

DXは企業の価値創造の全プロセスを変化させ得る取り組みである。そのため、全社で取り組む必要がある。つまり、一部のデジタル人材だけではなく、その上司も、さらには経営者も率先して取り組むべきである。経営者がDXの本当の意味やその価値を理解していなければ、新たな時代における事業戦略の立案や、正しい事業の判断ができない。 また、経営者が自ら率先して取り組む姿は、この取り組みに対する本気度を社員へ伝える訴求力にもなる。

ポイント3:リスキリングに取り組むための環境設定を行う

必要性が理解でいても、新たなことを学ぶことに不安を感じる社員も多いことだろう。しかし、このような取り組みには前向きな姿勢かつ、そのモチベーションを維持してもらうことが重要である。主な施策は以下の通りである。

1.リスキリングの取り組み姿勢と評価・賃金を連動させる
2.取り組みに必要な時間を業務時間内で確保する
3.リスキリングで得たスキルの活用イメージを事前に共有する

冒頭にも述べたように日本において、「リスキリング」という言葉は広がりつつある。しかし、世界の企業と比べて、その認知度、実践度で大幅に遅れをとっている。 その理由の多くが、前例が少ないためか「何をすればよいのかわからない」、「経営者の理解がない」、「実施するためのスキルやノウハウがない」など、実施することに足止めをしているのである。 上記のポイントを押さえるとともに、自社の未来ビジョンを再度見つめ直し、事業戦略を再構築した上で、必要な人事戦略として、取り入れられたい。

この課題を解決したコンサルタント

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