2021.04.15

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2021.03.23 Tue

DOMAIN&FUNCTION

戦略CFO研究会
『成長M&A』実践研究会

REPORT
講演

03.23 Tue

M&Aを成功に導く必要条件とは

講師Chatwork株式会社
取締役CFO兼コーポレート本部長井上 直樹 氏
学びのPOINT

1.ディール成功のためには、M&Aはあくまで手段ということを認識し、意義・目的を明確にしておく必要がある。
2.ディールにおける交渉力を上げるためには、選択肢を設けたうえで優先順位をつけることがポイント。
3.交渉は強気に粘り強く行う。また、トップラインのシナジーは蓋然性が低く時間がかかるため求めすぎない。
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KPIM&A成功させ企業価値を向上させる条件は
PMIが9割

【PMIにおける勘所】

①創業者は残すか

...いた方が事業が安定するケースが多いが、あくまでディールの目的や創業者の意向次第。

②経営陣のリテンション(確保/維持)

...リテンションしたほうが事業眼底するが、メンバーの見極めが重要であり買収側の意向だけで決めない。

③バリュエーションの価格

...バリエーションが安いほうが成功しやすい。事業計画が堅実であり減損リスクが低いなどのメリットがある。株主利益とトレードオフであるため事業成長を最優先とする。

■当社のPMIについてのスタンス

「PMIは成長を止めない」という方針が全て。
講演

03.23 Tue

M&Aにおける企業価値評価の算定方法と
財務精査のポイント

講師ワイエムエー株式会社
代表取締役社長三谷 康生 氏
学びのPOINT

1.企業評価 価格決定のメカニズム
売り手の希望価格=「理論的価値」+「思い入れに基づく心理的価値」
買い手の希望価格=「理論的価値」+「想定シナジーの価値の一部」
双方にて希望価格の根拠は異なるため、実際の売買価格は、理論的価値のみで決まることは少ない。
2.財務精査のポイント デューデリジェンスの目的
DDの目的は、「リスクを確認したい」「価格の妥当性の確認」等様々あるが、次の4つの主目的から何に重きを置き、かつその点をどの専門家に依頼するかを計画することが重要。
①「ディールブレーカー要因の把握による」投資判断
②「バリュエーション情報の入手による」値決めの基礎
③「反映すべき重要な事項の把握による」買収等契約書の調整
④「PMIに向けた重要事項の把握による」買収後の統合準備
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KPIDDの検出事項・確認のステップ
①許容可能か? ⇒ ②重要性は高いか? ⇒
③ストラクチャの変更が可能(必要)か? ⇒
④定量化できるか?

<PMIのポイント>

日本の中堅中小企業M&Aにおいては、事業再生系事案を除き、「買収後の大幅なテコ入れ」より「財務シナジーの追及」といったマイルドなPMIから入ることが多い。
一般的な書籍には「100日プラン」に沿って計画的に改革を行う、等の記述があるが、M&A後の性急な改革の効用が、対象企業の従業員のモチベーション低下等の副作用を上回ることは少ないため、まずは、従業員との面談等現状把握に努め、その後に統合計画を相手方に合わせ実行していくことが肝要である。

対処法は、以下から選択する。

①M&Aの中止
②交渉材料の用意
③スキーム変更
④買収額に反映
⑤契約条項でリスクヘッジ