image1

今週のひとこと

挑戦するに値する目標を設定しよう。
目標は、相当の努力によって達成
できる適正さが必要だ。

☆ イベントを活用した集客プロモーション戦略の3つのポイント

自社主催のイベント、外部主催のイベントへの出展、同業との合同イベント、地域貢献イベントなど、様々な形でのイベントがありますが、貴社で開催しているイベントは売上という実績に貢献しているでしょうか。
 今回は、イベントを活用し、実績に繋げるための「集客プロモーション戦略」の3つのポイントについてお伝えします。

 まず1つ目は、「ターゲットの設定」です。
 「どの商品を」「どんな顧客層に」売るかは、誰もが考えているでしょう。例えば、食品メーカーであれば「新商品のカレールーを若い主婦層に売りたい」という具合です。
 ここで、より高い実績をあげたいのであれば、顧客層についてはもっと掘り下げる必要があります。なぜなら、若い主婦層と言っても、子どもの有・無や、就業状態など、ライフスタイルや家族構成、年齢、住んでいる場所、収入などによって訴求ポイントが変わるからです。「調理の時間は長くとれるのか」「小さなお子様がいるなどの家族構成から辛さのレベルはどれを推すべきか」といった内容を想定し、ターゲットに刺さる商品PRができれば、商品に興味を持った状態でイベントに来場していただけます。

 そして、2つ目のポイントは「チームワーク」です。
 ターゲットを集客することができたら、次に必要なのは営業活動。来場する顧客の購入関心度を上げるのは営業の役割です。顧客がどのようなモチベーションで来場するかの仮説を立て、タイプ別・購入関心度別などでクラスター(集団)分けをした上で、それぞれに必要な営業ツールや営業トークを準備し、受注に導くのです。

 最後、3つ目のポイントは「外部ネットワークの活用」です。
 新規客獲得の加速化に不可欠なのは、自社の力だけでは実現できない顧客層へのアプローチ。例えば、同ターゲット層を狙う別業種企業との合同イベントを開催したり、近隣企業との相互集客をする方法がないかを考えたりすることなどです。もちろん、雑誌や新聞などの媒体やWebを使った集客も、しっかりとターゲット設定ができれば効果的です。

 各社の商戦時期に合わせた「毎年恒例のイベント」は大変重要です。そこでの売上効果を最大限に引き出すためには、もう一段階顧客のことを深く考え、準備することを、あらためて考えてみてはいかがでしょうか。

SPコンサルティング本部
部長代理
東 加奈子

1_miraibanner

「拓鐵興琉」の理念で沖縄の経済発展を支える

沖縄県内唯一の製鉄メーカーとして事業拡大

拓南グループの理念
拓鐵興琉
鉄を拓いて琉球を興す。これは「鉄鋼業を開拓して琉球の経済発展に貢献する」を意味する。

沖縄県那覇市に本社を構える拓南製鐵は、1956年創業の製鉄メーカーだ。当初は伸鉄メーカーだったが、1961年に沖縄県初の電気炉を導入。以降、県内唯一の製鉄メーカーとして事業を拡大してきた。

当時の沖縄は、太平洋戦争の沖縄戦により建築物が壊滅的に焼失したままで、県民は住むところもままならない状態であった。そのため、台風のたびに甚大な被害を受けていた。創業者の古波津清昇氏は、「安心して生活できる住環境を整えたい」との思いで鉄筋の生産を決意。海中に沈んだ戦艦や陸上に散在する鉄スクラップを回収し、沖縄県外への輸出(当時は米軍統治下)を開始した。

「農家出身だった父は農学校に進学し、そこで鉄製道具の必要性を感じていました。また、戦後農業試験場勤務の頃、発電担当として配属され、電気について学ぶ機会にも恵まれました。その後脱サラし、製鉄の道を歩みましたが、農学校・農業試験場時代の父の経験や考えが事業のベースになっています」>

そう話すのは、2代目社長で創業者の息子にあたる古波津昇氏。再生原料となる鉄スクラップを回収する企業は、かつて沖縄県内にかなり多く存在したが、製鉄メーカーとして現存するのは同社のみだ。今では拓南製鐵を中心に、金属資源リサイクル、不動産、鉄骨工事など8社の事業会社から成る拓南グループを形成。600人超の社員を擁する一大グループとして、沖縄経済の一翼を担っている。

拓南製鐵 代表取締役社長 古波津 昇氏

拓南製鐵 代表取締役社長 古波津 昇氏


「百年企業」の実現に向けて人材育成に注力

鉄鋼業を開拓して琉球の経済発展に貢献することを意味する「拓鐵興琉(たくてつこうりゅう)」を理念に発展を遂げてきた拓南製鐵。2017年からは経営方針として「百年に向けた人材を」を掲げ、人材育成に力を入れている。

「グループで最初に創業された拓南商事が、2018年で創業65年を迎えるにあたり、創業者に対して、何をコミットするか考える中でたどり着いた答え。企業の基礎となる人材面を盤石にし、地域に貢献する百年企業として実現させるため、一つずつスキームを構築していきたい」と古波津氏。2017年には各部署で教育計画や教育資料を作成し、人材育成の仕組みの構築に取り組んできた。2018年はその仕組みを実際に運用し、成果につなげていく段階という。

人材育成に向け、社外の研修・セミナー・展示会への参加や工場見学など、社外での学びの場の提供にも積極的だ。その一環として、タナベ経営のものづくり研究会や尖端技術研究会なども積極的に活用している。

「自社や同じ業界に固執していると、その世界でのやり方や解決手法しか分からず、気付かないうちに"ガラパゴス化"してしまいがち。一方、異業種からの学びは多く、視野が広がり、製造・販売・商品開発・品質や安全などあらゆる分野における課題や『できない』と思っていたことのヒントをもらえたり、ブレークスルーにつながることも多い」(古波津氏)

社外から持ち帰った知恵や学びを共有し、現場で生かす。研修などへの参加を通じ、社外に新たな人脈やネットワークが生まれることも、後々の大きな財産になるという。また、自社工場にも積極的に外部の見学者を招き入れているが、エンジニアなどの来訪者から必ず意見をもらい、自社の改善につなげている。

部下に「させること」で成長を促す

人づくりに関して、古波津氏にはある信念がある。それは、部下に能力以上の仕事を「させること」だ。「能力よりワンランク上の仕事をさせることで部下の成長、ひいては会社の成長につながる。万が一、任せた仕事がうまくいかないときは責任を取り、フォローするのが上司の仕事です」(古波津氏)。ワンランク上の仕事が個々の能力を伸ばし、会社全体の成長の糧になるという考えだ。

人材育成の今後の課題について、古波津氏は「会社全体、グループ全体をマクロで見る視点を醸成したい。そういう目線を持つ社員が増えれば、組織として強くなります」と語る。

そのため、社外での研修や幹部との情報共有に加えて、会社の制度として、部門間やグループ会社間の異動も積極的に実施していく考えだ。

「これまでは配属された部署で専門化していくキャリアが主流で、部門間の異動があまりできていませんでした。しかし、マクロで物事を見るには、部署間、グループ間異動で、お互いの仕事を知ることが必要」(古波津氏)。例えば、現在はグループ会社の社員同士による同行営業など、会社の壁を越え、情報や知見を共有できる環境づくりを推進。また、2017年からはグループ全体での採用活動を行い、安定的な人材確保につなげているという。

65年もの間、製鉄で沖縄の発展を支えてきた拓南製鐵。今後もさらなる人材育成を通じ、社員が成長を遂げることで、沖縄の街や人々の暮らしを支え続けていくことだろう。

タナベ経営より

拓南グループ(拓伸会)の中核を担う拓南製鐵は、沖縄県唯一の製鉄(電気炉)メーカー。主に、異形棒鋼(鉄筋)、くぎやワイヤーメッシュ(溶接金網)の原料となる軟鋼線材などを製造している。社是に掲げる「拓鐵興琉」の字義通り、まさに鉄鋼業を開拓して琉球経済の発展に貢献している。
201810_mirai_02

経営コンサルティング本部 沖縄支社長 比嘉 純弥

PROFILE

  • 拓南製鐵㈱
  • 所在地:〒900-0025 沖縄県那覇市壺川3-2-4
  • TEL:098-832-0588
  • 創業:1956年
  • 資本金:4億円
  • 売上高:197億円(グループ全体、2018年3月期)
  • 従業員数:627名(グループ全体、2018年3月現在)
  • 事業内容:各種異形棒鋼・軟鋼線材・石灰などの製造販売
  • https://www.takunansteel.co.jp/
  • お問合せ・資料請求
  • お電話でのお問合せ・資料請求
    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所