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今週のひとこと

事業経営はライバルとの対決である。
顧客の期待を超える満足を常に
提供しよう。

☆ それで顧客は振り向きますか!?

「ターゲットをより細かく設定し、そのターゲットに深く刺す」
この実現を目指して、マーケティングの手法は日々進化しています。
今回はアパレル会社A社の事例をご紹介しましょう。

 20歳代後半から30歳代前半の女性向けに新たなブランドを立ち上げたA社は、架空の女性が登場する映画を制作し、それを公式オンラインサイトで見ることができるようにしました。映画の中では、さまざまな生活シーンで多くの種類の同社のブランドの服を着た女性が登場します。
 映画を見ている顧客は、暮らしの中で自分がその服を着ている姿を具体的にイメージすることができ、サイト内で実際に購入することもできるのです。
 これまでアパレル業界の提案方法といえば、ショーウインドーにマネキンを置いたり、服を着たモデルが雑誌で紹介されたりといったものが一般的でしたが、A社は映画を通じて、「その服を着たらどんなイメージになるのか」ということを顧客へ強く伝えています。これまでにはなかった服の動きや、ストーリーをより強く残せるようになった大きな進化です。

 このようにマーケティングの手法は日々進化を遂げており、多くの人に不満の少ない商品を売り込む手法から、特定の人に満足度の高い商品を売り込む手法へと変わってきています。最近はターゲットをより絞った商品が多く登場しています。次に必要なことは、そのターゲットをどのように振り向かせるかです。
 その方法は一つではないはずです。ぜひ自社のマーケティングにおいて、どの振り向かせ方が一番良い方法なのかを検討してみてください。

経営コンサルティング本部
コンサルタント
安藤 祐二

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M&Aにおける企業価値評価

現在、企業のM&A(合併・買収)市場が大きな広がりを見せている。レコフデータの調べによると、2018年(1~12月)の日本企業が関わったM&A件数は3850件と前年の3050件を大きく上回り、26.2%の増加となった。

もはや企業の成長戦略には欠かせない選択肢となったM&Aであるが、実施すれば必ず成長できるかというと、そうとも言い切れない。

中小企業のM&Aにおいては、売買事例の客観的なデータが多くないために高値で買収してしまうことも少なくない。特に売り手企業にとっては、今まで経営してきた会社はわが子同然であるため、感情面から安く売りたくないとの思いに駆られやすい。仲立ちをするアドバイザーも高値で売れれば売れるほど得られる手数料が多くなるため、高く売りたいというインセンティブが働く。そのため買い手企業は、実態とはかけ離れた金額で買わされてしまうケースも存在する。

企業は一つとして同じものがないため、決まった価格での算出方法があるわけではない。算出方法は複数あり、計算方法によって価格も変わってくる。M&A取引は相対取引であるため、互いに納得できた金額が取引金額となる。ただ、それでもある一定の評価方法で価値を算出することは可能である。一部を紹介したい。

具体的な評価方法

M&Aにおいて価格を算出する場合、一般的に用いられているのが、時価純資産に営業権(のれん代)を
加えたものである。評価方法としては単純であり、かつ客観性もあるため中小企業のM&A現場では多く用いられている。

評価額=時価純資産+営業権(実質経常利益×2~5年分)

(1)時価純資産
会社の保有している資産と負債を全て時価に置き換えて評価した純資産を基礎に、企業価値を算出する方法である。

【図表】をご覧いただきたい。これはいわゆる貸借対照表だが、これらの「資産の部」を時価評価する。

【図表】時価純資産と主な調整項目
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主な項目としては、売掛金、在庫、不動産、投資商品などである。決算書の貸借対照表に記載されている数値は簿価であり、時価評価とのズレがある。

例えば売掛金であれば、回収が実質的に困難なものがある場合、その分は差し引く。在庫についても帳簿上存在はするが、①実際にはないもの、②在庫としては存在するが、売ることができないもの(死蔵在庫)も差し引く。

固定資産(土地・建物等)についても、含み益や含み損がある場合も多いので加減する。投資商品(ゴルフ会員権など)も価値変動があるため加減する。

負債については、返済不要なものがあればその分を負債金額から引き、計上されていない負債があれば逆に負債を足していく。代表者が会社に貸し付けているもので返済不要であるのなら負債を差し引く。逆に会社として第三者の連帯保証人になっている、従業員の退職引当金が積まれていない、残業代の未払い分があるといった場合は加算する。

このようにして算出した資産と負債を差し引いたものが、時価純資産となる。

資産(修正後)-負債(修正後)=時価純資産

(2)営業権(のれん代)
営業権はブランドやノウハウなど貸借対照表の資産に表れていないものを加味して計算する。対象企業や事業から利益が出ていることが前提だが、実質の経常利益を算出し、2~5年分を掛け算することが多い。何年分を掛けるかは市場の成長性などにもよるが、実務上は3年分とすることが多い。

具体的な計算方法としては、損益計算書の経常利益に、減価償却費と、対象企業買収後に必要のない費用を足したものが実質の経常利益となる。

中小企業では、節税のために役員保険・リースなどの金融商品や、不必要な交際費など過剰に費用計上し、利益を抑える傾向にあるので注意を要する。また、買収後に代表者が引退する場合は、代表者に支払っている役員報酬も加味する。

例えば、経常利益5000万円、減価償却費500万円、役員報酬1000万円、代表者個人の私的な交際費500万円であるとすると、実質経常利益は、

実質経常利益=5000万円+500万円+1000万円+500万円=7000万円

――となる。のれんを3年分とすると2億1000万円が「のれん代」である。(1)で算出した時価純資産が、仮に2億円とすると、

評価額=時価純資産額2億円+2億1000万円=4億1000万円

――となる。

M&Aを検討する際には、まず売り手が希望金額を買い手に提示し、買い手が企業価値評価(バリュエーション)を行い、交渉に臨むことが多い。自社でM&Aアドバイザーをつけていれば、M&Aアドバイザーが行うことになるが、どのような評価手法により価格が算定されているかを知っておくことは重要である。M&Aに慣れていないうちは、M&Aアドバイザーに依頼し、企業価値評価や価格交渉などを依頼した方が、スムーズに取引が進む。

M&Aを検討する際には、高値づかみをしないためにも企業の価値評価をしっかりと行い、価格が合わないのであれば交渉から撤退するということも重要である。

  • タナベ経営
  • 経営コンサルティング本部
  • コンサルタント
  • 日坂 登紀広
  • Tokihiro Hisaka
  • 金融機関出身。金融機関在籍時には金融支援はもちろんのこと、資金繰り改善提案、販路開拓や経営計画の作成など幅広い分野で支援を行う。金融機関の目線を踏まえた上での財務アドバイスを行い、中小企業経営者の良き相談役として高い評価を得ている。

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"正直な商売"をモットーに創業以来、鉄を中心に外装建材や鉄鋼建材、住宅建材などへ事業を広げてきたカケフグループ。ホールディングスへの組織改編によって各分野の専門性を高める一方、インドやインドネシアで事業を展開するなど海外へも活躍の場を広げている。


成長の秘訣は「真面目にコツコツ」

福原 カケフホールディングスは、2018年に創業70年を迎えられました。これまで鉄や鉄製品を中心に事業を広げてこられましたが、2017年には持ち株会社であるカケフホールディングスを設立。現在はグループ5社が各領域で事業を展開されています。まずは、グループ会社や事業概要について簡単にお聞かせください。

掛布 当社の始まりは、1948年に掛布静雄が個人事業としてトタンの販売を始めたことにさかのぼります。以来、鉄一筋で事業を続けてきました。グループ会社は、外装建材事業を行うメトーカケフ、鉄鋼建材事業を行うスタールカケフ、コイルセンター事業を行うカケフ鋼板、住宅建材事業を行うカケフ住建の四つの事業会社と、カケフ住建のインドネシア子会社で構成されています。組織改編から3年目を迎えましたが、グループ間のコミュニケーションは良好で各社が専門性を高めながら事業に取り組めていると感じています。

福原 グループ全体の売上高は189億円(2018年8月期)、従業員数は250名を超えています。順調に規模を拡大してこられましたが、ここまで成長した秘訣はどこにあるのでしょうか?

掛布 特別な秘訣はありませんが、創業以来、真面目にコツコツと仕事をしてきたことが今につながっていると思います。社風の原点は創業者の人柄。妻(掛布邦子)の父である創業者は、"正直な商売"をモットーとする実直な経営者でした。お客さまの意向を真摯に聞く姿勢が成長の秘訣だと感じています。

カケフホールディングス 代表取締役社長 掛布 毅氏
1942 年生まれ、愛知県知多市出身。1965年愛知工業大学経営工学科卒業後、愛知県の大手機械メーカーを経て1969年掛布金属材料店入社。1989年メトーカケフ設立、取締役常務。1997年メトーカケフ代表取締役専務、1999年メトーカケフ代表取締役社長、スタールカケフ取締役常務。2017年カケフホールディングス代表取締役社長。メトーカケフ取締役、スタールカケフ取締役、カケフ鋼板取締役、カケフ住建取締役。その他、新進代表取締役、可児商工会議所副会頭(2004~2006年)、多治見法人会可児支部副支部長(2003~2013年)、岐阜県経済同友会理事など。


お客さまのニーズに合わせて事業領域を拡大

福原 飛躍のきっかけとなった出来事や創業者の人柄が分かるエピソードはありますか?

掛布(邦) 父はもともと三菱重工業に勤務していましたが、終戦を機に退職。その際、退職金の代わりに軍需工場に残っていた、穴の開いた鉄板100枚を譲り受けたことが創業のきっかけです。その鉄板とトタン板を交換してもらい、販売したところから事業がスタート。さらなる発展を目指して1958年に合資会社へ改組しましたが、翌年に日本を襲った伊勢湾台風が一つの転機になりました。東海地方が甚大な被害を受ける中、救援物資の指定問屋になったのです。

中には災害に便乗した値上げを行うところも多くありましたが、父は一切値上げをせず、付け払いのお客さまであっても商品を販売し続けました。そうした父の姿勢は地域を越えて伝わり、販路が飛躍的に広がっていきました。

福原 目先の利益にとらわれることなく、被災したお客さまに寄り添う姿勢を貫かれた。素晴らしい経営判断をされました。

掛布(邦) また、父は「どうすれはお客さまが楽になるか」を常に考えていました。創業後しばらくはメーカーから仕入れたトタンを販売するだけでしたが、1960年代からはお客さまの要望に合わせて建造物の骨組みに使う鋼材の取り扱いを始めたり、お客さまの用途に合わせて波型やV字型にトタンを加工したりと、付加価値の部分に力を入れるようになりました。

福原 1カ所で複数の材料が調達できれば顧客は発注の手間が省けますし、すでに加工されていると現場ですぐに使えて便利です。どちらも日頃からお客さまに接しているからこそ、気付くことができたのでしょう。

掛布 高度成長の波にうまく乗れたことが成長のポイントですが、加えて同業他社がやりたがらない仕事にもコツコツと取り組んだことで事業領域が広がっていきました。

また、非常に早い段階から業務ごとに専任の担当者を置いていたことも、お客さまの課題にいち早く気付けた要因だと思います。私自身、営業に専念できたのできめ細かい対応ができましたし、お客さまから相談していただける関係を築くことができました。

そうした積み重ねが信頼となり、現在の事業を支えています。創業から70年たちますが、赤字決算を出したのはリーマン・ショック後の1期だけ。これは当社の自慢です。

福原 「信頼関係」や「お客さまの課題解決」といったキーワードは、グループ経営理念にも掲げられています。

掛布 お客さまの課題を解決するために、いつも現状を超えるプラスアルファを求めてきました。これを社員全員に伝えたいと思い、グループ経営理念にまとめました。

グループ経営理念

鐵の新しい需要と高付加価値を創造し、社会の発展に貢献する。お客様の課題解決を通じて信頼関係を構築し、共に永続的繁栄を目指す。社員の幸福を追求し、広く社会に感謝され、成長し続ける人材を育成する。

社訓

責任を重んず 約束を守る 親切丁寧 無駄を省く 明朗で前進

カケフホールディングス 常務取締役 掛布 邦子氏1944年生まれ、岐阜県可児市出身。1966年愛知学院大学商学部商学科卒業後、掛布金属材料店へ入社し、総務、財務を担当。1989年メトーカケフ設立、監査役。1999年メトーカケフ常務取締役、スタールカケフ監査役。2017年ホールディングス体制移行によりカケフホールディングス常務取締役就任。メトーカケフ取締役、スタールカケフ取締役、カケフ鋼板取締役、カケフ住建取締役。

カケフホールディングス 常務取締役 掛布 邦子氏
1944年生まれ、岐阜県可児市出身。1966年愛知学院大学商学部商学科卒業後、掛布金属材料店へ入社し、総務、財務を担当。1989年メトーカケフ設立、監査役。1999年メトーカケフ常務取締役、スタールカケフ監査役。2017年ホールディングス体制移行によりカケフホールディングス常務取締役就任。メトーカケフ取締役、スタールカケフ取締役、カケフ鋼板取締役、カケフ住建取締役。


ホールディングス化で専門性を磨く

福原 順調に事業を拡大される中、創業70周年を前にホールディングスに組織改編された理由はどこにあるのでしょうか?

掛布 一番の理由は人材が育ってきたこと。各事業を任せられる人材が出てきたことです。各社の事業に重なる部分がほとんどないことも分社化に向いていました。今後は、各社が自立しながらそれぞれのカラーを打ち出し、事業を広げていってほしいと期待しています。また、専門性を高めたグループ間のコラボレーションによって、新たな領域に事業が広がる可能性は大いにあります。そうしたシナジー効果が出てくることも楽しみにしています。

福原 ホールディングス化へはスムーズに移行できましたか?

掛布 移行後は弊害などもなくスムーズに進んでいますが、導入までには紆余曲折がありました。当初は社内で試行錯誤しながら取り組んでいましたが順調には進まず、途中からタナベ経営に助けていただきました。ホールディングス化には経理面だけでなく組織づくりのノウハウをはじめ総合的な知識や経験が必要です。やはり専門家の協力が不可欠だと痛感しました。

福原 ホールディングス化のメリットについては、どのように感じておられますか?


掛布 さまざまありますが、私は情報に関するメリットが大きいと思います。専門化するほど情報が集まるので、新たなビジネスチャンスが増えています。特に、海外からの情報は将来に向けた大きな財産になると感じています。

福原 海外戦略や注力していく地域、今後の課題などについてお聞かせください。
掛布 海外展開の一つの目的は、日本の優れた技術を海外に移転することです。すでにインドとインドネシアに進出していますが、現時点では経済格差が大きいため日本の高い技術はあまり役に立ちません。日本では住宅1棟当たり1500万円から2000万円のコストをかけますが、現地の住宅はそれより1桁少ないか、もっと低い価格帯が主流。ただ、これからは性能へのニーズが高まっていくと思いますから、当社が貢献できる部分も広がっていくと予想しています。

その際、ポイントになるのが、日本の機能を現地の価格帯にどう近づけていくか。これは非常に難しい課題ですが、現地においても外資系の大型工場などを中心に当社の技術に対する評価が広がっているため、そこを入り口に事業を広げていきたいと考えています。

一人一人が活躍できる働きがいのある組織へ

福原 新卒採用では売り手市場が続いており、多くの中堅・中小企業が採用に頭を抱えています。そうした環境下で、今年度は9名の新卒社員を採用したと伺いました。

掛布(邦) おかげさまで、新卒採用に加えて若年の中途採用においても良い方に入社していただきました。採用については、日頃から大学を回ったり、合同企業説明会に参加したりと地道な活動を続けていますが、その際に入社1年目、2年目といった若い社員に同行してもらい、学生の悩みや質問に直接お答えするようにしています。また、リファラル採用として社員のお子さんやお孫さん、お友達、知り合いなどをご紹介いただくなど、より多くの機会をつくるように心掛けています。

福原 新入社員研修では一緒に山登りをされているとお聞きしました。

掛布(邦) 日頃から私と社長は山登りやハイキングに出掛けていることもあって、2018年から取り入れています。休憩を含めて出発から下山までに約2時間かかりましたが、一緒に歩くといろいろな話ができて面白いですね。自然の中で鳥のさえずりを聞きながら歩くとリフレッシュできますし、同じ体験をすると距離が縮まります。

福原 掛布社長は若い社員にどのような印象を持たれましたか?

掛布 今の若い方は知識が非常に豊富で驚きました。私たちは、その長所をどう伸ばしてあげられるか真剣に考えないといけません。仕事を通して知識を使いこなすセンスや判断力を身に付けていけば、各現場で活躍できる人材に育っていくだろうと今から楽しみにしています。

福原 次世代の経営幹部育成を目的とするジュニアボードやネクストボードをはじめ、人材育成には非常に力を入れておられます。

掛布(邦) 社員が、「この会社で働けて良かった」と思ってくれるような会社にすることは私たちの責任です。ですから、縁があって入社してくれた社員に、少しでも長く一緒に働いていただけるような環境づくりが大事だと考えています。

社員教育はもちろんですが、長く働くためには給与面も大事。これについては地域の企業の中で平均以上の給与であるよう努力していますし、福利厚生についてもできることから整備しています。

すぐに大手企業並みとはいきませんが、例えば産休・育休制度では、復職後、お子さんが小学校3年生まで短時間勤務を利用できるように整えました。法律上は3歳までですが、本人が希望すればより長い期間にわたって短時間勤務を続けることができます。

福原 小学校低学年まで短時間勤務を利用できれば、子育てと仕事が両立しやすくなります。

掛布(邦) 子育てと仕事の両立は簡単ではありません。仕事を辞めようか続けようかと悩む社員が、制度によって1人でも多く踏みとどまって頑張ろうと思ってくれるよう導入しました。今のところ、男性社員が育休や短時間勤務を利用した実績はありませんが、今後は介護休暇も含めてみんなが取りやすい環境にしていくことが大事。毎日仕事をしてくれる社員が一番大切ですから、これからも社員の幸せを考えて働きやすい環境づくりに取り組んでいきたいと考えています。

人材育成に力を入れるカケフホールディングス。「縁があって入社してくれた社員に、少しでも長く一緒に働いていただけるような環境づくりが大事」(掛布邦子氏)


永続発展を目指し変化に対応できる組織へ

福原 真面目に愚直に、お客さまと事業に向き合われた結果が現在の成長につながっています。最後にカケフグループの今後のビジョンをお聞かせください。

掛布 このままいけば5年先は企業規模が200億円を超えると予測していますが、10年先も成長し続けるには新しい事業の柱が必要になるだろうと考えています。30年前にコイルセンター事業へ参入し、20年前に住宅建材事業に挑戦したように、10年から15年に一つのペースで新たな事業を確立していくことが、安定的な成長につながっていくと考えています。

福原 この先、80周年、90周年、そして100年企業を目指すに当たり、大事にしていることや引き継いでいきたい思いはありますか?

掛布 当社はこれまで鉄一筋で正直にコツコツと取り組んできました。この姿勢は今の経営幹部にしっかりと根付いていますし、この先も変わらず受け継いでほしいと思います。その上で、若い世代のセンスを引き出し、伸ばしながら新たな領域に挑戦する組織であること。現在、各事業会社の社長は自ら方向性を見つけてリーダーシップを発揮してくれていますが、若い社員にも同じように成長してもらいたいと思います。これからも安定した職場であり続けるために、経営幹部が先頭に立って時代の変化に対応できる組織を目指してもらいたいと願っています。

福原 創業者から続く正直な商売、コツコツと努力するカケフグループの社風を引き継ぎながら、ホールディングス化によるシナジーを発揮され、ますます発展していかれることを祈念しております。本日はありがとうございました。

タナベ経営 経営コンサルティング本部 副本部長 福原 啓祐
人事、営業、財務戦略のコンサルティングを中心に、上場企業から中小企業まで幅広い臨床経験を持つ。また、企業再建の経験も豊富で、万年赤字のホテルを1年で黒字化。破綻懸念のあった企業を正常化するなど、企業変革の実績も多数。


PROFILE

  • ㈱カケフホールディングス
  • 所在地:岐阜県可児市二野1979-150
  • 創業:1948年
  • 代表者:代表取締役 掛布 毅
  • 売上高:売上高:189億円(グループ計、2018年8月期)
  • 従業員数:260名(2019年5月現在)
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    06-7177-4008
    担当:タナベコンサルティング 戦略総合研究所